第4回 剪定(2)

剪定2初めて剪定をする人は、(当然ですが)実際に枝を落とす段になると、「さて、どうしたものか」と悩みます。いらない枝を落とせばいいのだと分かっていて も、なかなか教科書通りの枝ぶりなどないものです。本で勉強し、経験者に教わっても、イザとなると「失敗は許されない」という自己脅迫に襲われて、手が出 ません。いきなり、失敗を恐れずどんどん切る事が出来たら、その人は怖いもの知らず…というか、ほとんど無謀な人といっていい位です。最終的には切らなけ れば進まないし、覚えもしないのですが…。

順番としては、まず枯れ枝を落とす事です。枯れ枝は素人目にも分かりやすく、切って叱られる事もありません。 次に全体の外観を整えます。外観は樹種や環境、用途によって違ってきます。また、刈込みと一緒で年々大きくなる木を一定の大きさで維持する事が多い為、前 年切った位置、または任意の位置で切って調整します。ここまでやると、全体が若干すっきりして枝の混み具合が見えてくるでしょう。(そういう事にしましょ う)最後に、枝の混み過ぎた部分を見つけます。木は大きくなればなるほど、陽の当たり具合に差が出てしまい、それによって同じ木の枝でも密度が違ってきま す。最終的には密度の濃い部分(陽の良く当たる部分)は薄めに、密度の薄い部分(陽のあまり当たらない部分)は濃いめにするのがベストですが、そこは慣れ るまでかまわなくても良いでしょう。要は、部分的に濃い所や、逆に薄くなって穴が開いたりしないようにしてやる事です。この辺は、あまりにも細かい説明を すると本が1冊出来上がってしまいますので省きます。一通り切り終わったら、一度木から離れて全体を見渡してみましょう。大抵どこかに切り残しや過不足が あるものです。また、木によってはヒコバエ(下記、「月間専門用語」参照)や胴吹きが多く発生するものもありますので、特に必要がなければ落としてしまい ます。
時には必要な事もありますが、一度にどっと枝を減らすと、幹肌に亀裂が入る事があります。これは、水を吸い上げる根と、それを受け取る枝葉とのバランスが 崩れた為に、送られた水が幹の中で渋滞して起こるものです。こんな時は、根の先を掘り出して切ってやるとバランスが取れますが、本来この様に極端な処置を しなくて済む管理が大事です。(2006年3月)

月間専門用語

[蘖]  ひこばえ

 木の根元付近や切り株に生えてくる勢いの強い枝状の若芽で、「孫生え」とも書く。孫の子がヒマゴだから、子の子はヒコになると思われる。放置すると主幹の栄養分を奪って弱らせると言われ、基本的には全て切り取るが
、主幹が再生不能なほど弱ってしまった場合は、ヒコバエを生かして主幹に換える事もある。剪定等による枝葉の不足を補う為に生えてくるのだから、切らない 方が良いと言う人もいるが、そもそも見た目重視で剪定して生えてきたものなのだから、切る方が普通(物凄い独断)。サクラなどは、ヒコバエがとんでもなく 離れて生える事がある。「地下茎かよっ」と突っ込みたくなるほどだ。