第3回 剪定(1)

剪定1「剪定」を辞書で引くと、「樹木の生育や結実を調整したり、樹形を整えたりするため、枝の一部を切り取ること」と書いてあります。人間が、伸びてきた髪の 毛や爪を切るのと似たようなものです。切らなくともそれが直接的な原因で死ぬわけではありません。しかし、切らなければ体裁(ていさい)が悪く、社会人と しての価値を落とす事になるでしょうし、あるいは不潔さゆえに病気になるかも知れません。木(ここでは主に観賞用の樹木)にしてみれば、枝振りが悪ければ その存在価値に関わりかねませんし、無駄な枝が混み合ってくれば風通しが悪くなって病気にかかりやすく(というよりほぼ間違いなくかかります)なってしま います。
「木は余計な枝葉は出さない」と言った人がいました。ある意味では確かにその通りなのですが、それはあくまで木から見た話で、その木を観賞したり利用し たりする人間の立場から見れば、それはもう話が全く違ってきます。当たり前の話ですが、木は放っておけば寿命が来るまで伸び続け、窓を覆(おお)い、電線 を切断し、交通を阻害しても気にも留めません。せっかくきれいに街路樹を植え並べても、ちょっとした条件の違いで成長の度合いに差が出て、デコボコと統一 性のない見栄えになってしまいます。特に個人宅の庭では、木は見た目が全てといっていいでしょう。地球規模の温暖化を憂慮(ゆうりょ)(心配)して庭に木 を植える人は、心とお金に相当な余裕のある人です。

刈込みと同じで、剪定する事で現状を維持したり、またこれから枝振りを造っていこうという木ではイメージ通り の形に持っていくのが目的です。その木その木の性格を熟知していなければ、ともすれば枯らせてしまう事もあります。そこまでいかなくても、一度不細工に仕 上げてしまった木は、元に戻すのには何年もかかります。それがその庭(または場所)のシンボルツリー(一番象徴になる木)だったりしたら、「ごめんなさ い」では済まされません。(2006年2月)

月間専門用語

[平米・立米]  へいべい・りゅうべい

 平米は平方メートルで面積の単位。1m×1m=1㎡というやつ。立米は立方メートルで体積の単位。 1m×1m×1m=1?というやつ。それぞれについている「米」の字はアメリカを示すもので、メートル法がアメリカから入ってきた名残り。それ以前の日本 では尺貫法(しゃっかんほう)といって、長さでは尺(主に建築関係で使用する曲尺(かねじゃく)で30.3cm、反物等の和裁で使用する鯨尺(くじらじゃ く)で37.9cm)、容積では升(約1.8?)、重さでは貫(3.75kg)を使用していたが、こちらは1959年に廃止されている。水の重さは1?で 1tだが、砂や砂利は水より重いので、2t積みのダンプで建材屋へ行って「砂利2立米くださぁい」等と頼むと、帰りに過積載でキップを切られてしまう(て いうか、切られた)。余談だが、尺貫法での6尺を1間(けん)と言い、押入れの幅などはこれにあたる。