第6回 草刈り(1)

草刈り1 我々の本業です。夏場はこの作業に追い回される事になるでしょう。基本的には、通称「肩掛け」と呼ばれる刈払い機と、通称「手押し」と呼ばれる自走式ロータリーモアで行います。
草を完全に刈り飛ばし、地面が見える位にするのを「地(ぢ)際(ぎわ)刈り」といいます。施設周辺の緑地管理や、公園の園路等ではこの刈り方です。また、 草の高さを刈りそろえる方法もあり、芝生や公園等の広い箇所の草地で行われます。刈りそろえた高さを「刈り高(だか)」といい、これをあらかじめ指定され る事もありますが、行政関係では「出来るだけ低く」が通例です。
肩掛けには、メーカーの違いの他にいくつかの構造的なバージョンがあります。まずハンドル部分です。当社では、全てU(字)ハンドルというタイプですが、 半円形のループハンドルや、シャフトにグリップがついただけのツーグリップというのもあります。Uハンドルは握力への負担が少なくて済み、広い場所や、長 時間の作業に向いています。他のタイプは取り回しがきくので、山林等の狭い場所や、傾斜のきつい法面で有効です。
次にエンジンです。現在は2ストロークエンジン(2スト)が主流で、4ストローク(4スト)はまだ少数派です。2ストは構造が単純なので、その分小型軽量 化が出来、メンテナンスも比較的簡単です。4ストは音が静かで、排気ガスもさほど気にならず、燃料もガソリンだけでいいので混合燃料を作る手間が省けま す。しかし歴史が浅く、まだ技術的に成熟していないのか、悪評の高い物が多い様です。当社でも、現在のところは全て2ストです。

それから、実際に草を切る部分にあたる刃も多くの種類があります。大きく分けて、金属の円盤の縁に刃がある通 称「金刃(かなば)(歯)」と、ナイロン製のコードで叩き切る通称「ナイロン刃」があります。最近は、鋏やバリカンの様な構造の物もありますが、極少数派 です。金刃も、単純に鉄板の縁を刃にした構造の物と、チップソーと呼ばれる、非常に硬質なチップを刃として鉄板の縁に植え込んだ物があります。前者は刃を 研ぐのが容易で、繰り返し使う事が出来ます。後者は切れが良く、刃の数が多いので、 石を飛ばす事がほとんどありません。ナイロン刃にも種類が多くあります。20cmほどに裁断され、片方の端に金属の止め具をつけた通称「ヒゲ」と呼ばれる 物や、数10mから100mの長さでロール状に巻いてあり、専用のリールに巻きつけて使う物もあります。ヒゲは刃の取替えが簡単です。リール式の物は、一 度巻いてしまえばしばらくは交換の必要がなく、またリールを地面に軽くたたきつける事で、半自動的に刃が伸びる物もあります。ナイロンのコードで切るの で、壁際や樹木・石周りを刈る時、刃を欠いたり壁等に傷をつけずに草を刈る事が出来ます。しかし反面、叩き切るという構造ゆえ小石を飛ばしやすく、10m 以上先のガラスを簡単に割ってしまったりします。当然ながら、人に当たれば大怪我につながりかねません。
最後に、肩にかけるバンドがあります。単純に1本のバンドで袈裟懸け(肩から斜めにかける)にする物と、4点式シートベルトの様に両肩にかける物とがあ ります。袈裟懸けの方が装着は簡単です。4点式の方は、両肩で支えるので肩への負担が分散されます。いずれのタイプにしても、肩当てパットが重宝します。 特に袈裟懸け式の方は、一点集中で圧迫されるので、あるとないとでは大違いです。出来ればクッションの入った厚手の物が良いです。
最近の物は、緊急離脱装置なる物がついていますが、大抵は緊急に離脱しなければならない状況が起きる前にボロボロになり、離脱する気など毛頭ない時に勝手に離脱してくれたりします。(2006年5月)

月間専門用語

[削る・斫る]はつる。

本来は、少しずつ削り取る事。道路工事等で、ブレイカーという「ガガガガガッ」と異様にうるさい機械を使 用して、コンクリート等に穴を開けたり剥がしたりする作業を「はつる」と言う。大抵の人が「道路工事」と言われて真っ先に連想するアレ。アレを専門にやっ ている業者さんもあり、「はつり屋さん」と呼ばれる。ブレイカーは音と振動がすさまじく、職業病を多発する。間違って足を「はつる」とすごく痛い。痛かっ た。