八王子ラーメン横丁 麺や樽座

味噌ラーメン、750円。

味噌ラーメン、750円。

お店による個性の違いが、ラーメン店ほど強く出る業種は、他に見当たりません。
多くのラーメン店は、内装に凝り常連のお客さんを大事にし、他のお店との差別化を図ろうとします。
もちろん「他のお店とは違うものを」というこだわりは、味の方に一番顕著に表れます。
今回の「樽座」も、文字通り座席が樽になっている変わったお店、しかもおいしいという噂を聞きつけ、以前から興味を持っていました。
行ってみると、お店の雰囲気はもちろん、私には初めての味で、麺自体がかなり個性的なお店でした。

 

上の写真を見てください。この味噌のコッテリ感。熱々のものを早く出す、という店長さんのこだわりのもと、油多めで出されたラーメンは、八王子には珍しい本格的な北海道味噌風味。
今回、初めての味にびっくりしたのは、麺にしっかり絡められた自家製の海老油。
微かに甘みがあって香りが良く、クリーミーなタレによく合います。オキアミから作られるという以外は企業秘密。出される直前にバーナーで炙ってくれるチャーシューも、もちろん自家製、やや厚手で噛み応えがあります。
挽肉と炒めたモヤシもしっかりした味付けでそれだけでおかずになりそう。

 

JR、京王線各八王子駅から、それぞれ徒歩10分くらい。

JR、京王線各八王子駅から、それぞれ徒歩10分くらい。

醤油ラーメンも鰹や鯖の油をタレに使い、工夫が凝らされていますが、味噌へのこだわりはまた別格です。
「こういうラーメンが作りたい」。ある日、店長さんはお一人で研究を始めました。きっかけは、新横浜ラーメン館「すみれ」で食べたラーメン。
八王子で珍しかったこともありますが、味噌を主力にした一番の理由は、ここと出会ったことでした。
基本はお客さんにおいしく食べていただくこと。冷めないよう気を使い、注文を受けてからチャーシューを炙るなど、手間を掛けています。

 

最初の一口、初めての味に驚きました。
八王子には無い味。スープも独特の深みで、円熟した老舗を思わせます。 

しかし意外にも、店長さんは平成十五年五月の樽座開店までは食べ物を扱うお仕事をされていなかったそうです。 一念発起して市内からラーメンの食べ歩きを始め、様々なタイプのお店で短期間ずつ修行を積みながら自分の目指すラーメン作りを始めました。 
ラーメンは、モノによって工程や材料が全く違います。半年余り色々な厨房を渡り歩いたことが、いい武者修行になったようです。

 

 

行列ができるほどの人気店ですが、店内は店長さんがお一人で切り盛りしていらっしゃいます。

行列ができるほどの人気店ですが、店内は店長さんがお一人で切り盛りしていらっしゃいます。

開店して一年間は、お客さんが少なかったと言います。 
口コミで次第に評判になり、幾つかのラーメン本に掲載されネットでおいしいお店として名前が挙がるようになって、行列のできるお店へと育ちました。 
実績やマスコミへのコネを持たないお店が、口コミだけで評判になるなんて、大変なことです。 
ところが、店長さんは決して浮かれる様子もなく「今でも時々材料とか変えてみてるんだよ」と、飄々としていらっしゃいます。 
絶え間ない研究心と驕ることのないお客様へのサービス心、そして惜しむことなく掛けられた手間の数々が、今の樽座の人気を支えています。

 

一口メモ
・麺 中太縮れ麺(味噌)
(醤油は細ストレート麺)
・具 チャーシュー、メンマ、モヤシと挽肉の炒めもの、ネギ小口切り(味噌)チャーシューはバーナーで炙ってあります。香ばしい。
・スープ 鶏ガラ、丸鶏、ゲンコツ、コブ、玉葱、ニンニク、生姜、ネギの青い部分(味噌)味噌ラーメン使用の海老油オキアミから摂った自家製。
・タレ 北海道産赤味噌と甘みある京都産白味噌、さらに数十種類のスパイスをブレンド。独特のクリーミーさを出すのは、海老油と擂りゴマなど。(醤油ダレは海老油に代わり鰹や鯖による魚油を使用)
・系 列 特になし。独立店。昨年秋まで新横浜ラーメン博物館で人気を博していた「すみれ」がモデル。
・一人当りコスト 千円弱。
秘密情報!
ニンニクたっぷり、夜限定の黒味噌ラーメンがあるらしいです。詳細はお店まで。

 

九席ほどのカウンター席とお座敷の四人掛け二席。開店当初は店名通りに、樽にクッションを載せたものを椅子として座していました。現在は、掛けやすい竹製に変わっています。

九席ほどのカウンター席とお座敷の四人掛け二席。開店当初は店名通りに、樽にクッションを載せたものを椅子として座していました。現在は、掛けやすい竹製に変わっています。

麺や樽座
場 所 八王子市明神町2-1-9≪現地周辺地図
TEL 0426-44-7776
営業時間 平 日 11:30~14:30
17:30~22:00
日・祝日11:30~15:00
17:30~22:00
休業日 水曜日

 

 

※この記事は平成17年9月に書かれたものです。