多摩の駅 高尾駅ケーブルカー清滝駅

車内には階段状に座席が並ぶ。乗ってみると途上がいかに急勾配かがよく分かる。進行中、車掌さんがケーブルカーについての解説をしてくれる。

車内には階段状に座席が並ぶ。乗ってみると途上がいかに急勾配かがよく分かる。進行中、車掌さんがケーブルカーについての解説をしてくれる。

師走の忙しさに取り紛れてバタバタしているうちに、いつの間にか、新しい一年の幕が明けようとしています。 
この一年を振り返ると、旧年中にやり残してしまったことや新年への課題、色々反省点もあるかと思いますが、まずは初詣。 
関東三山の一つ、高尾山薬王院有喜寺でも、大晦日深夜から元旦に掛けて、初参りや迎光祭への参詣者で賑わいます。それに合わせて、高尾山の入口ともいえるケーブルカーでは、終夜運転が行われます。

 

清滝駅は高尾登山電鉄㈱が運営するケーブルカーの駅。リフト用の山麓駅隣接。

清滝駅は高尾登山電鉄㈱が運営するケーブルカーの駅。リフト用の山麓駅隣接。

駅名の由来
付近にある滝の名称から。
京王線の高尾山口駅方面から清滝駅へ向かう時に、駅前広場の右手に見えるのが清滝。
高尾山には清滝の他にも、現在も滝行が行われている蛇滝・琵琶滝、古(布流)滝と、全部で四つの滝があり、それぞれに言い伝えが残されている。

 

 

ケーブルカーの頂上側の駅、高尾山駅。薬草園・猿園へは徒歩3分、夏にビアマウントが行われる展望台へは徒歩1分で行くことができる。

ケーブルカーの頂上側の駅、高尾山駅。薬草園・猿園へは徒歩3分、夏にビアマウントが行われる展望台へは徒歩1分で行くことができる。

清滝駅周辺
京王線高尾山口駅より徒歩五分。霊峰高尾山への入口に当たり、ケーブルカーの登山口側の駅。 
入口に大きく高尾山と記されているが、高尾山駅は山頂側の駅の名称であり、こちらは手前にある清滝から名称をもらっている。 
駅前の広場には多くの土産物屋や名物トロロ蕎麦の店が並び、ベンチで休憩する登山者や散歩者の姿が。

 

清滝駅の歴史
昭和二年一月開業。戦時下の昭和一九年二月に一時廃線となるも、二四年一〇月に営業再開。当然、山頂側の高尾山駅も同じ過程を辿っています。昭和四三年からは、全自動制御の大型ケーブルカーに車体変更。
また、エコーリフトの駅である山麓・山上駅はともに昭和三九年一〇月開業。最初は一人乗りのものだったが、昭和四六年から二人乗りリフトが導入されました。

12月初旬はまだ紅葉も見頃で、駅前には朝から長い行列ができていました。
八王子の誇る聖地高尾山で、一年のご多幸を祈ってみてはいかがでしょうか。

清滝駅前の広場にあるムササビの像。高尾山には150~200頭のムササビが生息するといわれる。他に、リスやフクロウなども観察できる。

清滝駅前の広場にあるムササビの像。高尾山には150~200頭のムササビが生息するといわれる。他に、リスやフクロウなども観察できる。

昭和四二年一二月、明治の森箕面国定公園とともに、明治百年記念事業の一環として国定公園に指定された。 
国立公園とは、日本を代表する自然の風景地を保護し利用の促進を図る目的で指定される自然公園。国定公園とはそれに準じる自然公園として国が指定し、都道府県が管理するものをいう。
高尾山は、殺生を厳しく戒めてきた薬王院の寺域であるために自然が豊富で、都内外の登山者に人気が高い。
もちろん薬王院への参詣者も多く、お正月の初詣客を皮切りに、年間二百万人以上の訪問者がある。

 エコーリフト山上駅。高尾山のリフトは2人乗り、およそ12分間の空の散歩を楽しむことができます。

エコーリフト山上駅。高尾山のリフトは2人乗り、およそ12分間の空の散歩を楽しむことができます。

昔、川越に「まむしの弥太」という悪党がいました。元は腕のいい石工だったのですが、博打や喧嘩の果てに放火や強盗と、悪事を繰返し、ついに代官所に捕まってしまいました。 
死罪となるべきところを母親の必死の嘆願で島流しにとどまり、3年後に恩赦により島に戻りました。ところが、戻った時には母親は心労のために既に亡くなっておりました。 
自分の親不孝に気付いて嘆き悲しんだ弥太は、村の長の助言に従い、高尾のお山に登って母親の菩提を弔おうと思いました。

一の鳥居をくぐろうとしたところから、後ろには下がれても先には全く進めなくなりました。泣き出した弥太の元に不動寺の住職が駆けつけ、十分な改心ができていないのが原因で、身を清らかにすれば登れるのに、お清めの滝はお山の中にしかないと伝えました。

晴れた日には、リフトに掛けたままで都心まで見渡せます。

晴れた日には、リフトに掛けたままで都心まで見渡せます。

これを聞いた弥太は合掌し「身を清めるためならば私は今この身を滝に打たれ砕かれても構いません」と一心に祈りました。 
すると、峰の方から水音が聞こえたかと思うと近くの崖から滝となって流れ落ち始めました。弥太は歓喜し、急いで滝に打たれ、無事にお山に登ることができました。 
以来この滝は清滝と呼ばれ、傍らに建つ岩不動は弥太が収めたものといわれています。

 

清滝駅近郊情報
京王線 高尾山口駅 0.3km
高尾山不動院 0.1km
氷川神社 0.4km
トリックアート美術館 0.5km
東京高尾病院 0.5km
琵琶滝 1.0km
小仏関所跡 2.1km
野草園・猿園 2.3km
JR・京王線高尾駅 2.4km
高尾山薬王院 3.1km
高尾山頂 3.6km
清滝駅の概要
・路線距離
1.02km
・高 低 差
271m
・最急勾配
31度18分
(日本一の急勾配)
・最大乗車人員
135名
・使用車両
あおば、もみじ
【ケーブルカー(鋼索鉄道)】
ロープウェイとは、ワイヤーロープ(鋼索)に吊られて空中を移動するもの。一方、ワイヤーの巻上げの力によって、地上のレールの上を移動するのがケーブルカーです。万が一ワイヤーが切れたとしても、強力な自動ブレーキで停止する仕組みになっていますので、ご安心ください。現在高尾山で使用されている車両は誘導無線アンテナによる自動制御。実は、運転室の中から秒速3.3メートルで遠隔運転しているのです。

 

※この記事は平成19年1月に書かれたものです。