多摩の駅 京王線 百草園駅

百草園駅は、特急列車停車駅である聖蹟桜ヶ丘駅と高幡不動駅の間に位置する駅。

百草園駅は、特急列車停車駅である聖蹟桜ヶ丘駅と高幡不動駅の間に位置する駅。

京王八王子駅から電車で六駅、百草園駅から坂道を徒歩10分。京王百草園では今年も、梅の花が見頃を迎えました。
文豪たちも好んで訪れたという庭園には、約80種800本の紅白の梅が咲き競い、花の美しさに情緒を添えるお茶会や琴の演奏など様々な催物が行われます。
都会的イメージの聖蹟桜ヶ丘とお寺で有名な高幡不動に挟まれた各駅停車駅。今回はそんなイメージを一歩抜け出して、自然豊富な百草園駅付近ならではの「今」をリポートしようと思います。

 

今年は暖冬のため、開花も順調に進んでいます。

今年は暖冬のため、開花も順調に進んでいます。

京王百草園
多摩丘陵の一角、若山牧水や徳富蘆花など多くの文人に愛されてきた景勝地。特に梅の花で有名です。
江戸時代小田原城主の側室寿昌院慈岳元長尼が、徳川家康の嫡男追悼のため戦火で失われていた松連寺を再建しました。彼女の植えた梅の木は現存し、寿昌梅と呼ばれています。
明治初期の神仏分離令で廃寺となった松連寺跡を明治18年、百草村出身の生糸商人青木角蔵が買取って庭園を整備し、この時に百草園と命名。一般に開放したため、多くの訪問客で賑わいました。
その後荒廃しかけていた百草園を京王電鉄が買入れて修繕を行い、季節ごとに催物などを行っています。

 

京王百草園に隣接する八幡神社。ここに安置されている阿弥陀如来座像は、元々は「幻の寺」真慈悲寺のご本尊であった。百草園から続くスダジイの巨木群が偉容を誇っている。

京王百草園に隣接する八幡神社。ここに安置されている阿弥陀如来座像は、元々は「幻の寺」真慈悲寺のご本尊であった。百草園から続くスダジイの巨木群が偉容を誇っている。

百草園駅の歴史
大正14年玉南電気鉄道百草駅として開設、昭和12年現駅名に改称。昭和32年、駅名にもなった百草園が荒廃しかけていたところを京王電鉄が買入れ、修繕を加えて京王百草園として一般開放を始めました。

日頃は各駅停車と快速だけの停車駅ですが、梅まつり期間中は土日祝日昼の時間帯(10時半~15時半頃)準特急・急行列車も停車します。
京王百草園の門を出てすぐの反対車線側に、付近のおすすめスポットである百草ファームの小さな案内板が目に入ります。

 

ちょこちょこ現れる案内板を目印に進むうち、未舗装の畑道を通ったりと一見分かりにくそうな道なのに、百草ファームと、川崎街道沿いのアルティジャーノ・ジェラテリアまで難なく辿り着けてしまいます。
百草園駅を出て川崎街道を横断、ステーキハウスフォルクスを左に見ながら直進し急な階段を登ると、大宮神社の社殿があります。階段下には多摩動物園まで続く散策路の案内板。
川崎街道沿いにフォルクスの前を通り過ぎて少し歩くと、右手に真照寺の境内に建てられたわかくさ幼稚園が見えてきます。清谷山蓮華院真照寺は元は高幡山金剛寺の末寺。日野七福神の一、恵比寿天が奉られています。

 

松連寺再興の際に、寿昌院慈岳長尼が植えたという寿昌梅。根元には春を告げる花 福寿草。

松連寺再興の際に、寿昌院慈岳長尼が植えたという寿昌梅。根元には春を告げる花 福寿草。

「幻の寺」真慈悲寺
松連寺は、江戸期の享保年間(18世紀前半)に再建された寺。その庭園が現在の京王百草園です。
これと別に、鎌倉期この付近には、ご祈祷の霊場と崇められる寺が存在したと、鎌倉期の公式の歴史書『吾妻鏡』に記されています。
源頼朝によって、1186年に再興。1192年の後白河法皇の法要「百僧供」の際には、かの浅草寺に並ぶ僧三名を送るほど格式ある寺であったとされる寺。それが、「幻の寺」真慈悲寺です。

正式な位置等いまだ分かっていませんが、京王百草園の発掘調査時に見つかった当時では希少な中世瓦葺きの屋根などが発端となり、昨年から大規模な発掘調査が行われ、現在も継続中です。

 

サイロを模した建物がかわいらしいお店。

サイロを模した建物がかわいらしいお店。

百草ファームは、日野市に唯一存在する酪農家。たくさんの乳牛が飼育され、道路端では、まだあどけない表情の子牛が通りを見渡しているのと目が合います。府中の某ビール工場から出る良質な麦芽の搾りかすを餌にしています。
その百草ファームの経営するイタリアンジェラートのお店が、アルティジャーノ・ジェラテリアです。

お店の一番人気は、毎朝絞りたての牛乳で作る「しぼりたてミルク」。脂肪分少なめで、コクも残しつつさっぱりした甘さ。今回はキウィとダブルで注文、400円。主張し過ぎない、程良い甘酸っぱさ。シングルは300円。

お店の一番人気は、毎朝絞りたての牛乳で作る「しぼりたてミルク」。脂肪分少なめで、コクも残しつつさっぱりした甘さ。今回はキウィとダブルで注文、400円。主張し過ぎない、程良い甘酸っぱさ。シングルは300円。

搾りたての牛乳と地元農家産の新鮮な野菜や果物で作るジェラートは、市販の物とは一味違うおいしさ。 
近くに子牛放牧用の柵があり、気をつければ京王線車中からもその姿が見えます。
地の(不?)利を心配するまでもなく、口コミとリピーターで人気のお店です。

放牧された子牛が京王線の車中からも見えます。

放牧された子牛が京王線の車中からも見えます。

百草園駅近郊情報
多摩ドライビングスクール 0.1km
真言宗智山派 真照寺 0.3km
東邦歯科医療専門学校 0.5km
京王 百草園 0.5km
八幡神社 0.8km
アルティジャーノ・ジェラテリア 0.6km
百草ファーム 1.0km

 

駅名の由来
開設時の名称「百草駅」。所在地の地名から。
この辺は長い間、草の生い茂る地という意味で「茂草」と呼ばれていた。江戸時代以降「百草」の字が当てられた。
駅は後に改名し、付近にある「百草園」の名前から現駅名「百草園駅」となる。
百草園駅の概要
・駅の形式
地上駅
・ホーム
― 相対式、二面二線
・一日平均乗降員数
約八千人
・停車車両
通勤快速、快速、各駅停車
(梅まつり開催期間中の土日祝日は一部準特急・急行列車が臨時停車)

 

※この記事は平成19年3月に書かれたものです。