多摩の駅 横浜線 片倉駅

出口2(北向きの出口)の方角からみた片倉駅。ガード下、改札を出たまん前にマクドナルドやオリジン弁当もある。

出口2(北向きの出口)の方角からみた片倉駅。ガード下、改札を出たまん前にマクドナルドやオリジン弁当もある。

本誌で京王片倉駅周辺をご紹介しました。市の中心部にも近く、暮らしやすそうなところです。
直線距離にして500mほど離れて、横浜線片倉駅があります。以前『八王子ラーメン横丁』のページでご紹介した、多摩利屋(南向の出口1を右へ、コンビニで左折し50m弱)・えびす丸(出口2を出て左へ約200m)というラーメンの名店もこの付近です。

横浜線は全長約42.6㎞、市内の八王子・片倉・八王子みなみ野各駅と、橋本・町田・新横浜など20の駅を通り、東神奈川駅へ至る路線です。

朝夕のラッシュ時は根岸線へ乗入れを行い、桜木町・磯子・大船の他、土曜・休日には横須賀線逗子駅までの直通もあります。また、橋本~八王子間では相模原線による乗入れが行われています。

 

今日は絹の道へ向います。

今日は絹の道へ向います。

絹の道
駅付近は京王片倉駅でご紹介した通りです。今回は駅付近から続く絹の道を歩いて鑓水方面へ向かいます。八王子の歴史の一ページ、鑓水商人たちの夢の跡です。
幕末~明治中頃の日本の主な輸出品は生糸で、膨大な量が横浜港に集められました。
八王子や信州(ほぼ現・長野県)・甲州(同山梨県)・上州(同群馬県)方面の生糸は、別名浜街道とも呼ばれる絹の道を鑓水の商人たちによって馬や荷馬車などで運ばれました。

立派な石垣、鑓水の絹の道資料館。鑓水商人の一人、八木下要右衛門の屋敷跡の石垣に、屋敷の様式を模して建てられた。当時の生活用品などが展示されている。

立派な石垣、鑓水の絹の道資料館。鑓水商人の一人、八木下要右衛門の屋敷跡の石垣に、屋敷の様式を模して建てられた。当時の生活用品などが展示されている。

もともと農民であった彼らは一気に豪商と化し、絹の道の途上に道了堂を建てて旅の無事を祈願しました。資料館の建物も、鑓水商人の一人八木下家の屋敷跡の見事な石垣を利用して建てられたものです。
しかし、やがて輸送に鉄道が使われるようになると、彼らは歴史から消えていきます。

 

道了堂跡。現在は礎石が残されるのみだが、すごい存在感。

道了堂跡。現在は礎石が残されるのみだが、すごい存在感。

横浜線の歴史
〔横浜線の発足 私鉄から国鉄へ〕
JR横浜線の前身である私鉄 横浜鉄道は、明治41年9月に東神奈川~八王子間で開業しました。八王子近辺で生産された生糸を横浜へ輸送することが目的で、この頃はまだ蒸気機関車が使用されていました。
明治43年内閣鉄道院による借り上げが始まり、大正6年正式に国有化。同9年5月鉄道院が廃止され鉄道省となり、同省管轄の鉄道は省線と呼ばれるようになります。

大正12年の関東大震災、昭和16年~20年の太平洋戦争という大きな災禍を乗り越えて、昭和24年、日本国有鉄道の発足により国鉄横浜線となります。

〔発展期 高度経済成長期を越えて〕
その後、シルバーシートや冷房車の導入、自動列車停止装置の研究、各線の複線化などが進められ、昭和末頃には現在の形に近づきます。
この頃には貨物列車以外の電化も完成、東神奈川~八王子間の所要時間は、開業当初の1時間40分から1時間を切るまでに短縮されました。本数も、上り下りとも1日100本を越えています。

〔安定期 開業100年〕 
昭和62年に国鉄の民営化が行われ、皆さんよくご存知の現在のJRが誕生しました。八王子市周辺は東北・関東・信越エリアを含むJR東日本の管轄です。現在では平日昼の時間帯には快速電車も毎時2本運行され、八王子~東神奈川間を最速43分でつないでいます。
横浜線の前身、横浜鉄道の開業が明治41年(1908年)のこと。来年2008年は、開業からちょうど100年目にあたります。

 

かつて絹の道が通っていた大塚山公園からの展望。手前に見える四角い物体は国道16号線の防音壁。

かつて絹の道が通っていた大塚山公園からの展望。手前に見える四角い物体は国道16号線の防音壁。

片倉駅の歴史
今はなき京王御陵線の駅の一つ片倉駅が誕生したのは昭和6年のこと。遅れること11年、昭和17年、横浜鉄道に、後に片倉駅となる片倉信号所が開設されました。昭和32年に駅として開業、晴れて片倉駅となります。当事、京王御陵線の方の片倉駅は休止していましたが、後に京王高尾線として再開する際に、駅名の重複を避けて京王片倉駅となります。
現在の片倉駅周辺は、平成九年の開業以来新興住宅地として人気の高い八王子みなみ野駅から続く、人気のある住宅街となっています。

駅名の由来
駅所在地の地名から。地名は付近に群生する片栗(カタクリ)の花に由来するという。

駅周辺は宅地造成により、絹の道の痕跡はあまり残っていません。舗装された道の両側には、新しい家が並びます。
現存する絹の道の跡は、約三㎞。昼なお暗い山道です。虫除けスプレーの携帯必須。
濃い緑の中を続く砂利を敷いた道は、中心に向けてえぐられるように凹み、往来の盛んだった頃が想像されます。

 

突然出現したカモ。いつものお散歩コースなのか、マイペースで歩いていた。

突然出現したカモ。いつものお散歩コースなのか、マイペースで歩いていた。

歩いていたら、いつの間にか私の前には一羽のカモ。慣れた様子で散歩していました。こちらは散歩中のカモに慣れていなかったため、カメラを持って追い掛け回し、フェンスの向こうの小川に逃げられてしまいました。

現在の鑓水の、ある穏やかな日。

 

片倉駅近郊情報
片倉城跡公園 0.3km
横浜線片倉駅 0.6km
由井市民センター 0.3km
日本文化大学 0.5km
絹の道資料館 3.1km
片倉駅の概要
・駅の形式
高架駅
・ホーム
相対式、二面二線
・一日平均乗降員数
5000人強
・停車車両
快速、各駅停車

 

※この記事は平成19年8月に書かれたものです。