主治医から「糖尿病には歩くのが一番」といわれて始めた
早朝ウォーキングも、今年で15年目を迎えた。
この15年の聞には、同じように早朝散歩を楽しむ人たちとの
温かい出会いにも恵まれた。これほど長く続いているのは
家内と二人で歩くことにしたからであって、
一人ではとても続かなかったと思う。影ながら私の健康を
支えてくれている家内に、つくづく感謝している。
澄み切った空気を吸いながら歩くウォーキングコースの
途中には、気になる場所が二ヵ所める。一つは交番、
もう一つはコンビニだ。
早朝は人通りも少ない。そんな中、赤色灯の下でビシっと
立っている警察官の姿は何とも頼もしく見える。
交番の外に一歩踏み出し、警戒の目を光らせている姿は、
街の治安の原点だと思う。
一方、コンビニは店内の明るさが通行人に大きな
安心感を与えてくれる。阪神淡路大震災の際、
あるコンビニチェーンの経営トップは、震災直後から
出来る限りの営業継続を店舗に言い渡し、
それが不可能なら、被災者を勇気づけるために、
終夜明かりだけでも灯し続けろと号令をかけたという。
この話を聞いた時、コンビニエンスストアという
存在の有り難さを再確認した。
しかし最近、悲しむべきことに、このコンビニを
狙った犯罪があとを絶たない。そこで私は前を通る時、
少しだけ歩調をゆるめることにしている。
もし何か変わったことがあったなら、日頃の恩返しとして、
せめて110番通報くらいはできるようにと。
安心感を与えてくれる、街の二つの灯り。
私たちも自分の仕事を通して、
誰かに「安心感」を与えられる存在でいたいと思う。
常勤監査役 千葉 久公