エイト社員ブログ「夏の終わりの燕岳」

燕岳は、北アルプスにある2,763mの山で、
「つばめだけ」と書いて「つばくろ」と読む。
この山は、北アルプスでありながら危険個所も少なく、
人気のある山の一つである。

 山頂は白い花崗岩からなっており、山容がとても美しい山だ。
私は花の咲く頃、紅葉の時期、残雪期と、幾度もこの山に訪れているが、
毎回違った姿を見せてくれる山だ。今年は夏の終わりに訪れた。

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 この山の魅力の一つが山頂と同じ稜線にある山小屋の燕山荘である。
この山荘は、稜線にあるので、夕日も朝日も両方楽しむことができる。
こんな立地だが、中はピカピカで、水洗トイレに、オシャレなカフェもある。
往復8時間弱の山なので日帰りも可能だが、山荘に泊まればもっと楽しめる。

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 今日は視界もスッキリで、夕日も見ることができるなと期待していると、
山頂から振り返った山荘の周りに、あっという間に雲が集まってきた。

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山の天気は気まぐれなので、思い通りになってくれないのだが、
ガスってくると特別天然記念物の雷鳥が姿を見せてくれる。

雷鳥の羽は周りの色に溶け込むような保護色になっており、
夏は土と同じ褐色、冬になると雪と同じ白い羽になる。
この時は下の方がすでに白くなりだしており、冬支度を始めていた。

天敵が多い鳥で、絶滅が心配されているのだが、
かなりのんきな性格のようで、人を怖がらずに無防備に近寄ってくる。
実は私は鳥が苦手なので、近づかれるとこっちが後ずさりしてしまう。

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 この日は急激に辺りが霧に包まれてしまい、
夕日を見ることはできなかったが、翌朝は見事な日の出を見ることができた。
日の出を見るために、ダウンやフリースなどを4枚も重ね着し、
手袋着用で日の出待ちをするのだが、
それでも10分もすれば凍えそうになってしまう。

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帰りは槍ヶ岳、穂高連邦を背にして下山。

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 再び、雲の下の世界へと戻っていく。

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今回も楽しませてくれた燕岳に感謝。

管理本部 田倉 一美