帰宅電車の中でのことでした。
私の隣には、幼稚園くらいの女の子が、母親らしい若い女性と一緒に乗っていました。
途中、駅で片腕のない女性が乗ってきて、私の向かい側に座られました。
女の子が「お母さん、なんであの人は手ないん?」と、みんなに聞こえる声で言った
ので、私は隣でドキドキしてましたが、母親らしき女性は慌てることなく、女の子に
向かって言いました。
母親「いろんな人がいるの。みんなが同じじゃないの。
○○ちゃんにはおじいちゃんとおばあちゃんがいないでしょう?」
女の子「うん。みんなはおるけど、私はおじいちゃんとかおらへんねんなー。」
母親「うん。いろんな人がおるけど、おじいちゃんやおばあちゃんがいないのは、
○○ちゃんのせいじゃないでしょ?」
女の子「うん、違う。あ、△△ちゃんとこはお父さん、おらへんねんで。」
母親「そうね。でも、それは△△ちゃんのせいじゃないよね。」
女の子「うん、違う!」
母親「だからね、みんなおんなじじゃないの。みんなそれぞれ、持ってるものと、
持ってないものがあるんよ。でもね、持ってないからって、その人は何も悪くないし、
他の人と何も違わないんよ。」と女の子に話されました。
腕のない女性を含め、車内に乗り合わせていた人たちはみんな、暖かい目でその親子を
見守っているようでした。
答えに詰まる質問をされたときこそ、慌てることなく対応する大切さをこのお母さんから
学ばせていただきました。
このお母さんと出会えたことに感謝して。
建物総合事業本部 大阪支店 田中理絵子