子育て後、仕事を始めたのは店舗での販売の仕事でした。
1,200坪の敷地 450坪の店舗 週毎に売出しがあり
季節品の展開があり、家庭を離れたひとりの社会人として
毎日が緊張と張り合いに満ちていた頃の事。
もうすぐ就業時間の終わりがくるという頃、
広い駐車場の片隅から女性が歩いてきました。
「バッテリーがあがっちゃった。繋いでもらえないでしょうか」
困ったなと思いました。私は売り場を離れることができない。
それにもうすぐ交代の時間。
ましてバッテリーを繋いであげるなんて私の仕事の範疇じゃない。
そこに 店長が来て様子を尋ねると 雨模様の駐車場に出て行き
すぐバッテリーを繋いでから
「しばらくエンジンを回してから気をつけて帰ってくださいね」
女性は安心した顔で何度もお礼を言って帰っていきました。
「雨なのに大変でしたね」という私に
「お客さんだから親切にしたんじゃないよ。誰にでも
人に親切にするのは国民の義務だよ。」
「どんな時も キツいこと 汚れることは誰でも嫌だろう。
だったら自分がやったほうが気分がいいよ。」
些細な出来事ですが 私には社会に関わることの意味を
教えていただいた始めの一歩でした。
菊地店長 貴方の言葉で 人と向き合う姿勢を学びました。
あれから業種は違え 人と関わる仕事を20年続けてきました。
目の前の人が喜ぶ為に 私は何ができるのだろう。
辛い事 嫌な事は人も同じ 自分が先にやってしまおう、
と思うようにしています。
その後、たくさんの上司や同僚と関わりながら
勇気づけてもらったり 勉強させてもらったり
思い返せば宝物のような日々です。
今、不動産という 人様の人生の岐路に立ち会う仕事に就きながら
ひとりひとりの方との出会いを大切に。
如何に人の気持ちに添っていけるのか。
その度毎に自分に問うようにしています。
不動産事業本部 課長 田中 一美