8月28日に『ポーランドの至宝展』の開会式&鑑賞会が
東京富士美術館で行われました。
(展示は9月26日まで
http://www.fujibi.or.jp/exhibition/after.html )
本来は社長宛の招待状でしたが、ご厚意をいただいて、
美術の好きな母とともに参加させていただきました。
開会式では、誰でも名前を知っているような大会社の偉い方や、
ポーランドからも所蔵しているヴァヴェル城の代表者様や
美術品の修復技術者の方などの出席があり、
話を聞いていただけなのに大変緊張しました。
さて、肝心の展示品ですが、
ワルシャワ王宮やかつて王宮であったヴァヴェル城の
所蔵している絵画・彫刻・工芸品の他に、
キュリー婦人の写真や
ショパンやコペルニコスに関する品など、
140点ものまさに至宝が展示されていました。
ポーランドという国は中央ヨーロッパにあり、
何度も国家の分割や多くの戦火をくぐり抜けてきました。
そんな中でも、たくさんのすばらしいコレクションを散逸させず
守り抜いてきたことは、
本当に大変な苦労をともなったことだと思います。
こうしてすばらしい作品の数々を目にすることができることには、
作品を守ってきた人々への感謝を何度しても足りないくらいです。
特に、この展覧会ではレンブラントの日本初公開となる
【机の前の学者】【額縁の仲の少女】が展示されています。
レンブラントといえば俗に言う【夜警】が有名で、
光の画家と呼ばれています。
この2作品でも、レンブラントらしい全体に暗い色彩であるものの、
要所には照明が当たっているかのような明るさがあり、
思わず目をひきつけられます。
そして、その明るい部分に『だまし絵』の技法が使われており、
非常に写実的な人物と合わさって、
3Dのような立体感を感じて驚きました。
また、母がこのレンブラントの作品を見て
「女の子なのに男の手をしているし、表情も男っぽいから、
レンブラントは女性を描くのは好きじゃないのかもしれないね」
といったのを聞いて、
確かに登場人物は男性が多いかも…と考えさせられ、
「いろんな着眼点があるものだな~」と感心しました。
この2つの作品には深い感銘を受け、
このブログでは長くなりすぎて語りつくせないくらいです。
私見ですが、この2作品を鑑賞するときには、
(1) 人物の手と目
(2) だましの技法
(3) 全体のバランス
ぜひこの3つに注目してほしいと思います。
ほかにも、1点ですがドラクロアの作品があったり、
ベルナルド・ベロットの作品では、
建物が建築家の描いた絵のように見え、
実際に彼の絵を元に建物を復元していたり、
同じ場所を視点を変えて描くなど、興味深い作品には尽きません。
二時間ほどの滞在時間でしたが、
あまりに作品がすばらしくてじっくり観ていたところ、
最後のホールへ着いたときには
レセプションの閉会の挨拶もすでに終わり、
そこで出されていた料理も飲み物も
いただくことができなかったのは、少しだけ残念でした。
初めにも書きましたが、
この【ポーランドの至宝展】は9月26日まで行われます。
興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
このような機会をいただき、本当にありがとうございました。
建物総合事業本部 山田真紀