「住まい」について思う

紅葉し秋の深まりを感じる頃になると
やはり庭のある1戸建がいいなと思う。
住宅に関する好みは人それぞれだと思うが、
田舎育ちの私は子供を土と接する戸建で自由に
のびのびと育てたいと考えていたので、
千葉の田舎に小さな戸建を買った。

冬になると庭木にみかんを半分きってさしておくと
「めじろ」がしょっちゅう食べにきていた。
夏はカブトムシやクワガタがよくとれ
まだ近くには里山の風景も残っていた。

男の子2人なのでなるべく戸建がいいなと漠然と考えていたが、
たまたま会社が分譲中の物件を先輩から勧められ買うことにした。
これには戸建分譲事業を担当するならまず自分が戸建てに住んで
実感しないとダメだということであった。

妻が私の実家に子供をつれて帰っている時に、

電話で

「家、買ったから帰ってきたら見に行こう」

と報告しただけだった。
普通家を買うというのは、家庭にとっては一大事だが
我が家は周到な計画もなく買った。
職業柄、慣れていたせいか、
妻に相談することもなく勝手に決めたことについては
なんとなく反省している。

振り返れば、上京して、独身時代4回、結婚後3回住まいを変えた。
特に学生時代住んだアパートの近くなどを訪れると、
つい懐かしくなりどうなっているかと寄り道してみるが
大方は洒落たマンションに建て替えられ周囲も変貌している。

我々の学生時代は
6畳、トイレ共用、風呂は銭湯が標準的住居スタイルであった。
昭和レトロを残す懐かしい雰囲気のこういったアパートが
ほとんど無くなってきているのは寂しい限りだ。

結局、千葉の戸建には10年位住んだ後、
子供の通学の問題等もありまた住宅を探しはじめた。
今度は、マンション中心に駅に近い場所をと探し、
西国分寺のマンションが当選した。
当時の人気物件ほとんどが抽選で、仲間が「あれいいよ」と言うと
じゃあ俺のも申し込んどいてといったノリで、
全ては当選してから検討するといったような感じだった。
今の「住まい」は補欠当選であったが
結果的に妻は大変気にいってくれたようだ。

マンションに住んでみて実感したことは、
鍵一つで余計な手間がかからないこと、冬暖かいことだ。
デメリットは四季を感じないこと、
階下に響くだろう音を気にすること。

妻は絶対のマンション派だが、
私は戸建で四季感を味わいたいとの思いが未だ強い。
ただ経済無視して、
タワーマンション高層階で夜景に富士山という生活も悪くないなと
勝手に思っているが、過去の歴史に鑑みて、
今度ばかりは私の意見は通るまい。

社長付(開発統括)岩松 寛道

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