「知覧研修を終えて」

 平成31年1月18日(金)から19日(土)の2日間、鹿児島県の知覧研修に参加させて頂きました。研修に臨む前の私の特攻隊や大東亜戦争(第2次世界大戦)に対する知識は、上辺だけの薄っぺらいものでした。
 この研修を経験することで、私自身にどんな気づきが得られるのか、できるだけ多くの気づきを得て、それをこれからの自分の人生の糧とすることを今回の研修の目的としました。

 宿泊先である知覧で有名な「富屋旅館」でチェックインするやいなや、「知覧からの手紙」という全編字幕の映像を拝覧。
 これから戦地沖縄を守るため飛び立つ前に、家族に宛てた特攻さん(富屋旅館の女将さんが、特攻さんと「さん付け」で呼んでいらっしゃっるのが印象的でした)の手紙の内容に触れることができるものでした。
その映像は一つの言葉で表現できないほど衝撃的で、自分に置き換えてみたときに、果たしてあのような行動がとれるのか・・・・無意識にそのようなことを考えていました。

2日目の早朝、女将さんに先導して頂き、三角兵舎跡(半地下式の木造バラック建てで、敵に見つからないように、三角の屋根の部分だけが地上に出ている建物)や、掩体壕(機体を格納するためのコの字型の土塁)など、戦跡地を巡りましたが、日の出前の真っ暗な所を歩いているときは、特攻さんがどんな想いでこの道を歩いていたんだろうかと、当時を偲ぶ感情が湧いていました。

 食事をさせて頂いた旅館の大広間は、特攻さん達が訪れていた食堂の離れで、つかの間の憩いの時を過ごされ、くつろがれていた戦前からの建物だそうで、歴史の重みを感じる空間です。
 2日目にこの神聖な場所で女将さんの講和をお聞きしたのですが、時にメモに書きとめ、時に女将さんの質問に答える形を繰り返す中で、自分のあるべき姿、やるべきことが次第にはっきりと意識し出しました。

 あるべき姿とは、人に感謝するのはもちろんのこと、逆に人から感謝を頂ける人物になることであり、やるべきことは、1日1日を無駄にせず、本当に大事に過ごすことであるということ。
 それがこの日本と言う国を守るために、明日の命を捨てて戦ってくれた特攻さんに報いるものだと気づきました。
 これも女将さんのお話のお蔭だと感謝しています。

 昼から訪れた知覧特攻平和会館で、特攻さんの家族に宛てた数多くの実物の手紙(遺書)を見ることができ、その膨大な数に圧倒されます。
 しかしながら、今の女将さんが先代の鳥濱トメさんの志を受け継ぎ、我々に特攻さんの想いを熱く語って下さったがゆえに、いきなり当会館を訪れて展示品を見るよりも、数倍の切ない感情が心に残りました。

 当会館に向かう道沿いに多くの石灯籠が建立しています。
 当初は特攻勇士の数1,036名分の慰霊灯篭を立てる計画だったそうですが、今ではそれを上回る数多くの石灯篭が、遺族や著名人、全国の多くの方から寄進されています。

弊社寄進の
灯篭前にて

今回の知覧研修を終えて、日本という国に対して、普段は全く
考えていなかった自分に気付きました。
また、特攻さん達が国のため、家族を守るために、自らの命を
犠牲にした覚悟に気付きました。
今の時代がいかに恵まれていて、自分が安穏と過ごしていたか
に気付きました。

この研修で得られた心からの感動を決して忘れることなく、
後世のために、今の国や地域に対して自分のできることは何な
のか、しっかり考え抜いて、実行していこうと思っています。

研修中に多くの心配りと気遣いをご指導して頂きました役員の
皆様、知覧の旅を手配して下さった総務の方々、研修中に留守
を守って頂き、自分たちの分まで業務を遂行して頂きました
社員さん達やクルーさん達に感謝申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。

建物総合事業本部 大阪支店
中本 知邦