知覧の地で思ったこと

 いつもありがとうございます。
 この度、会社のご厚意により用意していただきました、エイト知覧研修に参加させていただきました。

 どのようなところに行ったのか、どのような研修だったのか、といった話は同行くださった方にお任せし、私は自身の心持ちの変化の話をしたいと思います。

 知覧の地が、特攻隊の出撃の中心的基地であったことは、以前から知っていました。研修開始前、自分なりにゴールとして設定していたことは、本や映像で見聞きしただけの知識を、現場の空気を吸い、現場のにおいをかぎ、現場の雰囲気を肌で感じ、単なる知識だけでなく、身をもって体感したことのように血肉とする、といったことでした。

 この肌感覚が、自分の予想を大きく上回り、感動に近い形で自分に襲い掛かってきたのです。

 富屋旅館の女将さんの語り口は、激しくはないのですが、ある意味鬼気迫る迫力がありました。戦時下の人々や特攻隊の方々がかわいそうだった、という話ではまったくありません。戦時下に生きる人々の目線で、今を生きる私たちに「生きる意味」を問いかけてくるのです。
それも、矢継ぎ早に、畳みかけるように。

 話を聞く中で様々のことを考え、思い出し、言葉にしようと苦闘するのですが、思考はオーバーフローし、いったい自分は何を大事に生き、何をしようとしているのか。あれかもしれないがこうかもしれない、こうかもしれないがそれでは足りないかもしれないと、堂々巡りになってしまいます。

 そして気づきました。
 この、生きる意味を常に問い続ける心構えを持つことこそ、この研修のゴールの一つではないかと。

 英霊に、今私たちがここにあることができることを心から感謝し、いまここにあるからこそその意味を問い続け、毎日の行動を少しずつでも日々改善し、自分の命をそのように使い尽くしてより良い世の中を後の世代に残していく。

 今までそのようにも考えて行動していたつもりではありましたが、まだまだ甘いと思い知らされました。
 覚悟を持って、日々を過ごしてまいります。

 このような気づきの機会を与えてくださった、関係するすべての方々、縁あるすべての方々に心からの感謝を申し上げます。ありがとうございました。

(写真は、命を捨てる覚悟で朝焼けの中を飛ぶ特攻隊の方の気持ちになんとか自分の心持ちを重ねようと、飛行機の窓から撮ったものです。実は夕景ですが・・・。)

管理本部 伊藤 博