沖縄は琉球王朝時代から月の満ち欠を使った、「自然暦」で行事などをおこなっていました。廃藩置県、アメリカ統治下、復帰後もずっと沖縄に残っている行事は全てこの旧暦で行われています。沖縄では自然崇拝や祖先崇拝があるため自然暦を使うことがもともとあり、その関連の行事になると旧暦の日で行うことになります。旧暦での行事で一番大きな違いはやはり正月になると思います。旧暦の正月は現在、旧正「きゅうしょう」と呼ばれ、方言では「ソーグヮチ」と言います。漁港が盛んな地域ではこの旧正を盛大に祝い、大漁旗を掲げ、各家庭では沖縄風おせちなどを用意します。小さい頃はその地域の小中学校は半日や休む生徒も多く、お年玉は旧正にもらうという風習までありました。旧正月が終わると次にあるのはご先祖様たちの正月です。あの世の正月と言われ、旧暦1月16日(ジュールクニチ)です。家に仏壇がある家庭は、その日は沖縄風おせちなどご馳走を作ってご先祖様へお供えします。離島などは盛大な行事の一つでもあるようで、以前は学校や職場は休みだったそうです。こうした旧暦の表記は地元で発行されるカレンダーには一緒に表記されています。通常の正月、旧正月、あの世の正月と沖縄の人は3度正月をお祝いすることになります。旧正月を大切にしていく地元の想いは沖縄に移住する人たちも感動するようで、2度目の正月に感謝です!
沖縄嘉手納営業所
神谷卓哉