一本の電話

 最近、スーパーマーケットの多目的レストラン内装改修工事を手掛けました。
一週間の納期の中で、元々ある店舗のコンクリートの壁を幅4メートル、
高さ1.5メートルに渡り解体し、人の通り抜けを可能にし、
更に壁紙と床面のタイルを張替え、二つのエリアに分かれていたフードコートを
一体化するという工事でした。

 破壊しようとする壁は、思っていた以上に頑丈で
私たちの想像をはるかに超える物でした。
作業は、困難を極め一日目の作業予定が何も消化されずに終了。

 このままでは工期が遅れる・・・・・
そんな焦りが二日目のクレームに繋がるとは、
この時点では予想も出来ませんでした。

 二日目、今日は何としても壁を壊し切らなければ・・・・・
焦りから粉塵に対する養生が甘くなり、結果、各店舗内に粉塵が入り、
開店時間を遅らせてしまうクレームを出してしまいました。

 普段からお客様に喜んで頂く事をモットーに
仕事に従事して来たつもりでしたので、正直かなり落ち込みました。

 三日目、モチベーションが下がる中作業を監督していると
夜中の二時近くに携帯が鳴り、こんな時間に誰だろう?と思い
画面を見ると、門倉専務携帯の文字が・・・
叱られる事を覚悟し、恐る恐る電話に出ました。

「クレーム出したんだって?」
「対処したの?」
「誰からのクレーム?」
矢継ぎ早の質問に答え、一通り説明と報告を終えて
申し訳ない気持ちで電話を切ろうとしたその時、
「起きてしまった事はしょうがない、これも経験だから落ち込まずに
頑張ってね、いつも遅くまでご苦労様。」と言って下さいました。

この瞬間に今まで一人だと思っていた孤独感から開放され、
言い表しようの無い安心感を持つ事が出来ました。

その後は気持ちを切り替え、落ち着いて仕事に取り組む事が出来ました。
以降クレームを出す事も無く何とか工事は完了。
あの時に頂いた一本の電話にどれだけ勇気付けられた事か・・・
今でも感謝の気持ちで一杯です。

夜中にもかかわらず電話をして下さった、門倉専務。
本当にありがとうございました。
そして、これからも宜しくお願い致します。

 又、納期の無い中、夜間作業を頑張って頂いた協力会社の皆様、
ありがとうございました。
心より感謝申し上げます。

米軍事業部  宇田川 政幸

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