私の姪っ子

高校時代からモデルとして活動していた。
もの心ついた時からファッションに興味を持っていた。
制服が可愛いという理由だけで、わざわざ自宅から遠く離れた高校に進学した。

私のことではない。私の24歳の姪っ子の話である。

私は3人兄弟の長男で、次男、長女と続く。次男は独身で私ども長男夫婦には子供がいない。唯一、末っ子の妹夫婦に子供ができたときは我がことのように嬉しかった。
一人っ子。大切に育てられた。

モデル事務所に所属せず、スケジューリングや打ち合わせなど全て一人でこなしている。活動の場が大阪から東京へと拡がるにつれ、仕事量も格段に増えていった。その昔、私はある広告代理店の営業職に就いていたので、タレントのマネージングの大変さがよくわかる。

そんな姪っ子が突然結婚した。お相手は東京・表参道に美容室をもつ年齢が一回りも離れた美容師である。姪っ子が小さい頃、よく家族そろって我が家に遊びに来た。おとなしくもの静かで、何処となく年齢以上に大人びていた。成長するにつれよく話すようになったが、私は何となく仕事柄、結婚も遅いだろうと思っていたので知らせを聞いた時には驚いた。一人娘を嫁がせる男親の心境はいかほどかと案じたりしたが、当の本人である姪の父親も母親も意外とあっけらかんとしている。よほど、お相手の男性を信頼していると見える。

若い夫婦は目黒のマンションで新婚生活をスタートさせた。たまに仕事の関係で大阪に来た際は実家に帰って泊まったりしているとのこと。私たち夫婦もそうだったが、あらかじめ赤い糸で結ばれているという感がやはりある。結婚は縁。姪の素晴らしい縁に拍手。感謝。そして、何より可愛い赤ちゃんの誕生を今から楽しみにしている。

建物総合事業本部 山畑 道憲