下界では桜が満開でお花見日和の3月下旬、まだ雪に覆われている谷川岳に出かけた。この時期になると、天候が安定している日が多く、特にこの日はほぼ無風で快適な気候。
30分ほど登ったところで、いい感じの構図で立っているグループがいたので、まったく知らない人だが後ろ姿を撮らせてもらう。

こんな日は、天候による厳しさはないが、足を滑らせればずっと下まで滑落する可能性もあるので、とにかく慎重に歩いていく。
夏道は蛇行しながら登っていくのだが、夏道は雪ですべて埋まり、直登になる。かなりの傾斜をひたすら登っていかなければない。これがかなりキツイ。この辺りの気温は5℃くらいなのに汗だくになる。

湿って重くなった雪に足を取られながら、苦労して登っていくと、谷川岳の山頂の一つのトマの耳にたどり着く。谷川岳は双耳峰なので、山頂が二つある。トマの耳とオキの耳。この名前にどんなおとぎ話が隠されているのだろうと思ってしまうのだが、単に手前と奥くらいの意味らしい。
トマの耳には展望指示盤がある。山頂は強風で雪が飛んでしまうため、岩肌が出ている。

もう一つの山頂のオキの耳には、雪庇(風で吹溜りになった雪のひさし)が張り出している。
こんな雄大な景色を味わえるのだから、苦労しても登ってきたくなる。

頂上から少し下ったところにある小屋は、もうほとんど雪から出ている。あと2か月もすれば、この山にも春がやってくる。雪歩きも楽しいのだが、春は春で高山植物が楽しみな季節。

今日も無事に下山できたことを感謝しつつ、また別の季節に訪れたい。
管理本部 課長代理 K. T.