前回に引き続いて、カンボジア研修の話です。
今回の研修では、カンボジアという国の歴史についても学ばせていただきました。
有名な観光地であるアンコール遺跡群も、とにかく歩くので過酷ではありましたが、とても楽しませていただきました。
しかし、今回の研修で私たちが学んだのは、ほんの40年ほど前にカンボジアで起きた惨たらしい歴史が中心です。
ポル・ポト政権の名前を聞いたことがある人は多いと思います。
しかしどんな人物だったのか、その政治体制がどのようなものだったのか、20、30代の大人でも知らない人は多いのではないかと思います。
私の場合、カンボジアでの暗黒の時代のことは、今回の研修以前に、テレビの特集や学生の時に知った記憶があり、全く知らなかったわけではありませんでした。
さらに、今回の研修に参加させていただく上で簡単に調べましたので、その悲惨さは少しわかってはいました。
しかし今回の研修で実際に現地を訪れると、その重苦しい空気を肌で感じて、気分もずんと落ち込みました。今でさえこんなに陰鬱な雰囲気なのに、当時はいか程だったのかと思わざるをえません。
今回の研修で私たちがこの歴史を知る上で訪れたのは、2か所、トゥールスレン虐殺博物館と、キリングフィールド(プノンペン)です。トゥールスレン虐殺博物館は、今でこそ博物館の名を冠していますが、元々は刑務所で、実際に虐殺や拷問が起きた場所です。
ポル・ポト政権下、政治犯となった国民は、この刑務所で拷問されてキリングフィールドに連れていかれました。そこで惨たらしく殺されていったのです。
今回見知ったことは、歴史の一片に過ぎません。
当時の人々の気持ちを推し量ることはできますが、自らの痛みとして捉えることは不可能です。
私たちがこの歴史を知る側の立場にいる今の境遇には、感謝しなければいけません。
しかし、歴史は私たちと同じ人の経験の積み重ねですから、そこから学ぶべきことは必ずあると思っています。
一つの歴史として今回のことを知ることが出来たことに、改めて感謝申し上げます。
今回の研修でも、日本という狭い世界で暮らしているだけではわからない、様々な価値観の習得や学びがありました。
しかし、感謝したいのは今回の経験だけではありません。
今回同行した皆さんや、留守の間にも業務を行って下さっていた皆さん、そしてカンボジアで暮らす方々。関わってくださった、全ての方々にお礼を申し上げたいと思います。
とても楽しく学ぶことのできた研修旅行でした。本当にありがとうございます。
※写真はトゥールスレン虐殺博物館のものです。
管理本部 人事総務部 主任 曽我 亮介