父の誕生日休暇 後編

 お天気は微妙でしたが、9時過ぎの空いている電車を乗り継いで、大宮にある鉄道博物館へ予定通り向かいました。
 出発からずっと子供たちは「しんちゃん、しんちゃん!」と父にまとわりついています。(私の父のことは「しんちゃん」と皆が呼ぶので子供たちも同じように呼んでいます)

電車大好きな息子たちにひっぱられ、到着した鉄道博物館は平日だったせいか空いていて、どの展示でもゆっくり見ることができました。
 過去の車両がたくさん展示され、祖父母世代には懐かしく「この新幹線でいつも帰省していたな」と、思い出を語ってくれました。

リニューアルした鉄道博物館では車両展示の奥の建物がオープンしていたのですが、新幹線の展示や駅員さんの業務体験ができるようになっていて、子供たちは館内にある踏切の非常ボタンを押す遊びが一番楽しかったと言っていました。

この時はプラレール60周年記念展示もあって、古いプラレールをみながら「これ知ってる!」などと思い出話をしながら見たのですが、次男が「これもってる~、見てみて~」と言うので近づこうとしたところ、「お母さんじゃなくて、しんちゃん!きて」と言われてしまいました。

 なんでも「おかあさん」な子が私以外を呼ぶことにびっくりしたのですが、同じく驚きながらも笑顔をこぼれさせて近寄る父の姿に嬉しくなりました。

 昨夜、母を一緒に博物館に行こうと誘った時に、いつも「ばぁば~」と懐かれているので自分が一緒に博物館に来たら、せっかくの誕生日のお出かけなのに父の孫と触れ合う機会が減ってしまうのではないかと危惧していたので、朝から「しんちゃん、しんちゃん!」の子供たちに母もホッとしていたと思います。

 一緒にいる時間が少なくても、たくさんの愛情をもらっていることが子供達にはちゃんと伝わっているのだと実感しました。

 帰りにはプレゼントした鉄道博物館入場券の倍以上する新作プラレールを買ってもらって大満足な子どもと、お誕生日なのにお金を払わされても笑顔いっぱいの両親と一緒に、楽しい思い出を持って帰路につきました。

 最後に、少し早い夕食にと立ち寄ったラーメン屋さんにて、みんなで「お誕生日おめでとう」とお祝いしました。

 ちょっとお誕生日の特別感はないお祝いでしたが、気持ちは届いたと思います。来年もまた、みんな元気にお誕生日をお祝いしたいと思います。

 「両親の誕生日休暇」ありがとうございました。

建物総合事業本部 北片 真紀