ぶどう狩り

八月の下旬に妻と二人で三重県の青蓮寺湖へぶどう狩りに出かけました。

天候が不安定で雨が心配されましたが、ほとんど降ることなく、むしろどんよりとした曇り空で暑さも幾分和らいだのはよかったです。

受付で代金を支払い、簡単なぶどう園までの略図を貰い、係員の方の道案内を頼りにたどり着きました。

車をおいて、小さな丘を切り拓いたようなぶどう園の急こう配の少しぬかるんだ坂道を上ってゆくと、野良着姿の年配の女性が待っていました。

前のテーブルには箱詰めされた販売用のぶどうが陳列されていました。聞けば、食べ放題のぶどうの品種はデラウェアと巨峰のみで、デラウェアは時期的に遅く、逆に巨峰は時期的に早いのだそうです。でも、食べられるのはほとんどがデラウェアで巨峰は食べられるような状況ではありません。

そこで、熟しきったデラウェアを適当に取って食べるのではなく、覆いかぶせられた白い袋の隙間から中身をのぞいて実が枯れしぼんでいないかを確認しなければなりません。

実がなったままの状態でそのまま干しブドウになったものがたくさんあって、チョイスにある程度時間がかかってしまいます。

「でも、枯れた実もこれはこれでおいしいのですよ」

係りのおばさんが枯れた実をもぎり、口へ運びました。私もおばさんの真似をして同じように枯れた実を食べてみました。

「おいしい」
「おいしいでしょう」

味はまさに干しぶどうです。つまり、天然の干しぶどうというところでしょうか。おばさんのお陰で新しい発見をしました。

もちろん、みずみずしいぶどうの実も頂きました。おばさんは一緒になって美味しそうな実を探してくれました。

帰りがけには試食用のマスカットや熟した巨峰、地元の品種の3種類のぶどうをおばさんが持ってきてくれたので味比べをしました。それぞれ特徴があって美味しかったです。

ぶどう園のおばさんのお陰で楽しいひと時を過ごすことが出来ました。感謝いたします。ありがとうございました。

大阪支店  山畑 道憲