清掃作業終了前に後片づけをします。使用した資機材をきれいにし、元の場所に返します。
使ったモップやタオルなどは各自洗い、所定の場所に干して完了・・・・・というふうに、ごく普通の工程を繰り返していましたが、1年半ほど前からこのシステムを改め、タオルやモップは一括で洗濯する方式にチェンジしました。タオルやモップの洗い方にも個人差があり、十分すぎるほど洗う方や、また一方では不十分で季節によっては生乾きの臭いがしたりするケースもありました。また、後片付けに要する作業時間を少しでも短縮し、その分を清掃に充てた方が効率的であるという考え方もあり、中古の洗濯機を購入して新しいシステムがスタートしたのです。それ以来、清掃で使ったその日の汚れ物の洗濯係は主として私で、NGKの道を挟んだ向かい側の吉本本館ビルのゴミ庫内にある洗濯機まで汚れ物を運び、2回3回に分けて洗濯機にかけます。
業務を終えたクルーさんたちは各現場から汚れ物をビニール袋に入れ、女子ロッカーの前に設置された入れ物かごに放り込んで帰り支度をします。当然、当初は無造作に放り込まれていたタオルですが半年くらいたったある日、変化がありました。何枚かのタオルがかごのふちにきれいに折りたたんで掛けられていたのです(写真)。それ以来、ほとんど毎日のようにかごのふちに掛けられたタオル。誰が一体このように丁寧な扱いをしてくれているのだろう。気になった私は、心当たりのクルーさんに尋ねてみたところ、やはりそのベテランクルーさんでした。仕事は丁寧で几帳面で些細なことにも心配りが出来る素晴らしい方です。
私「どうせ洗濯するんやから、普通に放り込んどいたらええよ」
クルーさん「見た目が違うでしょ・・・・・。気にせんといてください。私が勝手にやっていることですから」
と言って、照れくさそうににこっと笑いさっと行ってしまいました。
「ありがとう」
私は心の中でそうつぶやきました。
小さなことかもしれませんが、大変大事なことを教わりました。
ちょっとした工夫で格段に印象が変わるということと、どうでもいいことだけど、どうでもいいからこそ細やかな配慮は人の心をとらえて動かすのだと。
私は素晴らしいクルーさんたちと一緒に仕事が出来て、本当に幸せです。
日々日々、是感謝。
建物総合事業本部 山畑 道憲