知覧と沖縄(知覧研修)

 2011年12月17日から18日まで鹿児島知覧にて、
本社と三沢支店の皆様に初めて会う事が出来ました。
知覧では66年前の戦争で、特攻部隊として本土決戦を止めるために
自らの命を犠牲にした兵士が通った食堂(現在は旅館です)で
様々な物語を知ることができました。

正直、特攻部隊のことは「神風」の言葉だけ知っていただけで、
内容については何も知らなかったです。沖縄出身の私は小さな頃から、
沖縄戦については学校で勉強していましたので、知識は少しありましが、
今回の知覧研修ではこの特攻部隊の内容が
沖縄戦にリンクしていたことに非常に驚きました。

研修の中で株式会社ザメディアジョンの山近社長の勉強会があり、
鹿児島と沖縄の複雑な関係を少しだけ触れる内容がありましたが、
鹿児島と沖縄は琉球王朝時代に薩摩藩が侵略、
琉球王朝が終わるきっかけがそうでした。

また残念なことに沖縄戦間近、沖縄から本土への学童疎開を断り、
沖縄からの学童疎開は宮崎、熊本に向かったということで、
沖縄と鹿児島は過去の歴史の中、あまり良い関係ではなかったようです。
もちろん、これは政治的なことでしたので、沖縄と鹿児島の人が
憎み合っているわけではないと思います。

そうした中での沖縄に近いということで、
知覧が本土決戦を守るために沖縄戦で特攻部隊として結成され、
全国からエリートなパイロットたちが飛び立ったという事実は
とても複雑な気持ちになりました。率直な気持ち、戦争は何一ついい事はない。
ただそれだけです。沖縄戦、広島・長崎の原爆、東京大空襲、
世界中で起きた、起こっている戦争の場所は悲劇しかありません。
とても咽かで平穏だったはずの知覧も戦争で悲劇の場所となったことは、
地元の方もとても悲しい気持ちになっていると思います。

ここ沖縄の南部周辺は沖縄戦の激戦区で、
日本軍が最後まで戦った摩文仁平和祈念公園は現在、
平和を考えさせられる場所になっています。

私もこの祈念公園に来るたびにいろいろと考えさせられます。
戦争に関わったこの場所は日常生活でも常に戦争のつめ痕が隣り合わせにあるため、
命の尊さを訴えています。
知覧の場所でも命の大切を教えてもらうとても貴重な場所でした。

忙しい現代は命の尊さを考える時間がないのが現状ですが、
私は一年に何度かは身近にある戦跡巡りをして、
自分自身がこうして平和な現代に生きていることに感謝し、
戦争で命を落とした世界中の犠牲者に哀悼の意を表したいと思います。

この研修はとても感情を高ぶる内容で、今こうして文章を書きながら、
目が滲んで周りを気にしながら書いています。
この貴重な経験の機会を作っていただいた社長、専務、
そして社員の皆様に感謝です。私はこの研修で学んだことを
一人でも多くの方に教えたいと思います。

追加:私の沖縄営業所は嘉手納基地で英字新聞サムライゲートを
発行しておりますが、空軍の広報の方も一度知覧へ足を運んだそうです。
アメリカ人から見ても特攻行為は悲劇的なことで、
その彼の叔父も沖縄戦で実際に艦隊に向けて特攻を見たということだそうです。
彼の叔父は他界してしまったそうですが、
彼自身もっと叔父から戦争の話しを聞いておけば良かったと後悔しているようです。

沖縄営業所 所長 神谷 卓哉