知覧研修を終えて

朝8時羽田空港集合、もうこの時点で研修は始まっていました。
私は学生気分で社員旅行を兼ねた研修としか思っていなかったので、
社長の一言で「甘かったぁ~」と気づくとともに、
気を引きしめてこの研修に参加しなければならないことを、
一瞬の空気で読み取りました。

羽田から知覧への研修がスタート。
私は特攻隊の基地が知覧にあったこと、
特攻隊員に「おかあさん」と呼ばれていた鳥浜トメさんという女性がいたことは、
数年前に岸恵子さんが出演した「俺は、君のためにこそ死ににいく」の映画を
観ていましたので、多少はわかっていたつもりでしたが、
富屋食堂(現富屋旅館)に着き、
おかみさん(鳥浜トメさんのお孫さんのお嫁さん)のトメさんから受け継がれた
特攻隊員さんの「命の尊さ」、「命の輝き」についての貴重な講和や、
一人芝居をしてくださった女優のたぬきさんの一瞬目の前にトメさんがいるかのような
真迫の演技におもわず引き込まれてしまい、涙、涙・・・。

そして研修初日の最後は、映画「俺は君のためにこそ死ににいく」を観ました。
前に観た時には、「こんな時代に生まれてかわいそう」と涙しましたが、
そんな簡単な言葉では終わらせてはいけないのです。
絶対に風化させてはいけない、後世に伝えていかなければいけない
重要な課題をいただきました。
生きたくても生きられなかった特攻隊の若者達の思い、精神力の強さと悲しみ、
そして愛する人を失った父、母、妻、恋人、兄弟、子どもの悲しみが胸にこみ上げ、
涙が止まりませんでした。

今の私たちは「生きる」ということへの感謝など微塵も考えたこともなく、
不平不満を言い、生きていることへの感謝の心など抱くこともなく
毎日を淡々と過ごしていました。

 今回の知覧研修に参加させていただき、
「命の尊さ」と「生きるということ」について、初めて真剣に考える機会を
与えていただきまして、本当にありがとうございました。

合掌

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東北三沢支店 生駒 英子