やっと、家内の言う「オリーブのお嫁さん」を見つけ植えることにした。
近所の園芸店・植木屋を廻ったが、なかなか、大きさ・枝ぶり・価格に対し、家内の眼鏡にかなう「お嫁さん」が見つからず、日を改め遠方の園芸店に行くことにした。
後日、遠方の園芸店で、家内はやっと意中のオリーブを見つけたようで、何度も店を出たり、入ったりを繰り返す。何か気になることでもあるのかと思い、「どないしたん?」と家内に尋ねると、やはり、この木の性別が気になるようで「メスやろか?オスやろか?」と思案しているそうだ。
「ほな、店の人に聞いたら?」と私が言うと、意を決して店の人に尋ねた。
しかし、店員はかなり忙しいのか、家内の質問に対して、無反応・・・・
(「家内は、とんでもない質問を店員にしているのでは?」と私は内心・・思う。)
が、家内は「このお店は、安い価格で植物を売っているので、いつもの対応。」だとあっさりと言う。
そして家内は、この子は枝ぶり、葉っぱの形、色から「絶対メスの木」であると深くうなずき、1本のオリーブを買い求めた。
翌朝、早々に植えることにした。
しかし、前のオリーブの根が深くなかなか抜けない、悪銭苦闘をしながら根を掘り起こし、のこぎりで切断しながら除去していく。
そのさなか、道行く方から、
「赤い実のなる木を植えているの?」
「通るたびに少しいただいていたのに、いつの間にかなくなっていて残念に思っていたの。」
と、声を掛けられた。
やっとの末に、オリーブの木を植え終え、オリーブたちを眺め、家内と二人
「お嫁さんきたで、仲良く元気に育ってな。」と願った。
その晩、家内と「ユスラウメ」もあの台風から枯れてしまったことが話題となり、
ユスラウメは、道行く人たちのささやかな楽しみだったことを理解した。
休みの日に、またすべての店を廻りユスラウメを探したが、どこにもおいて居らず、ネットにて注文。
ユスラウメの苗木は早速届き、新たに植えたオリーブの横に・・植えた。
オリーブともども、ユスラウメが、みんなの楽しみとなるよう、
「二人とも、世のため人のため、大きく育つのヨ。」と祈った!・・・(家内)
建物総合事業本部 大阪支店 田中 裕士