米軍基地では、11月24日の感謝祭が終わると基地全体が休みモードに入り、
どこか閑散とした感じになります。
この時期は日照時間も短く、午後5時にはもう暗くなってしまい、
基地内の静けさを強調するようで、余計に寂しい気がしてしまいます。
1カ月近くもこのような時期があるせいか、その後にやってくるクリスマスは、
基地内が1年のうちで最も華やかになるように感じられます。
道沿いには、沢山のクリスマスメッセージが書かれた大型のボードが飾られ、
各家の玄関にはリースが掛けられて、クリスマスの雰囲気を感じさせてくれます。
ある日のこと、一日の仕事を終えて会社に戻る時、
ゲートに向かおうと車を走らせていると、遠くチャペルの屋根越しに、
何ともいえない、懐かしい感じのクリスマスツリーが目に入りました。
ほんの少しツリーの先端が見えただけなのに、思わず車を止めて眺めてしまうほど、
その時の私には感動があったのだと思います。
これは何としても全体が見たい・・・・・
と思い、ゲートに向かう道から少しそれ、チャペルの裏手へ回ってみました。
するとそこには、私の思っていた通り赤、青、黄、緑の電球が点滅するだけの、
シンプルで、子どもの頃自分の家で飾っていたような、
本当に懐かしさの漂う大きなクリスマスツリーが目の前に現れました。
気が付くと、カメラでクリスマスツリーを撮影している自分がいました。
落ち着いて周りを見渡すと、何組かの家族も私と同じように、
大きなクリスマスツリーを見ながら、楽しそうに会話をし、
カメラに収めている姿がありました。
私だけが、このクリスマスツリーに癒されているのではなく、
基地の人たちみんなを癒してくれているのだと思うと、なぜかうれしく感じました。
それ以来、帰社前には必ず、少しだけ遠回りをして、
このクリスマスツリーの前を通り、
車窓よりひと目見てから帰るようにしていました。
会社に帰って、もう一仕事頑張ろう!
私をそんな気持ちにしてくれました。
ちなみに、キャンプ座間のクリスマスツリーはと言うと・・・
米軍事業部 主任 宇田川 政幸