スズメの親子

私の家では毎年、密かに楽しみにしていることがあります。

ほぼ毎年、春から夏の間に、スズメが巣作りにやって来てくれるのです。

今年は、2階の雨どいに巣を作ってくれていました。

一昨年に家を改装しているので、改装前とは建物の構造はだいぶ変わってしまっているのですが、今年も上手いこと良い場所を見つけたようです。

もしかしたら、天敵に見つかりづらい場所なのかもしれません。

ただ、私の自宅に来るスズメは巣作りがあまり上手くないのか、どうも不格好です。巣の下をよく見ると、巣の材料であろう草や土がポロポロと落ちてしまっています。

強風や豪雨が来たら……と不安に思ってはいたのですが、よく見ると、しっかりと雨どいの中に、しかも水の溜まらない場所に巣を作っているので、むしろ安全なのかもしれません。

意外とちゃっかりしているようです。

ある日、窓辺を通った際、窓の外からピーピーと甲高い鳴声が聞こえてきました。

それは雨どいの中の、あの巣から聞こえてきます。

少し身を乗り出して巣を見てみると、チラチラと動く影が確認できました。

卵が孵り、今年も無事にヒナが誕生していたのです。

やはり、新しい命の誕生を目の当たりにできるのは、嬉しいものです。

いつの間にかいなくなっていたあのヒナたちは、今頃どんな場所を羽ばたいているのでしょうか。

小さな感動を届けてくれるスズメの親子に、今年も感謝です。

管理本部 曽我 亮介