東日本大震災を振り返って

2012年の3月11日が過ぎ、東日本大震災から1年を経過しました。
今でも時折大きな地震が被災地をはじめ各地を襲い、
ようやっと平穏を取り戻しつつある被災者の生活を脅かしています。

それでも最近では復興に向けた地元特産品の復活や観光ピーアールも増え、
多くの方が未だ仮設住宅に住みながらも懸命に前に向かって
歩き出した印象を受けるようになりました。

 この1年間たくさんのボランティアが日本のみならず世界中から
救いの手をさしのべたこと、被災された方が多くの悲しみに暮れながらも
一歩ずつ立ち直ってきたこと、子供たちに笑顔が戻ってきたこと…
 人の強さを目の当たりにして、今を精一杯生きる大切さを考えさせられ、
命のある今をありがたく思いました。

震災直後は被害の凄さを伝える書籍や情報が溢れましたが、
最近は被災された人々に焦点をあてた作品が目立ちます。

被災者のインタビューやボランティア体験記、実際に被災した人が
振り返って備忘録のようにまとめたものなど、
当時の被災者の心に添うような作品が次々に発表されてきました。

いくつかの本を読み進めるにつれ、ニュースで聞いていた以上の
過酷な震災当時の様子が赤裸々に綴られており、
避難所に物資が届いてからの映像しか知らずに「何とかなるものだ」と
のんきに考えていた浅はかさを恥ずかしく思いました。

部活中の学生がずぶ濡れの薄い体操着のまま避難所で物資が届くまで毛布1枚もなく、
日におにぎり1個でしのいだこと
(物資の全ては老人・子供優先のため、被災しながらも労働力として働いた彼らには
何も残らなかったそうです)。

大人が途方に暮れる中、真っ先に動き出した中・高生の取り組み。
お風呂を届けようというボランティアを計画したものの、
現地に入って本当は何が必要かを見つめ直し、泥の掻き出しやその場その場で
求められる人手として活動したこと。
海外から援助に来た人が、最後は日本を離れる船から
自分の履いていた長靴まで使ってくれと放って寄越したこと。

たくさんの人が協力して立ち直ろうとしています。
エイトでも昨年ボランティアを募り現地でお手伝いをしてきてくれた人がいます。
 現地に行かなくても、それぞれのやり方で少しでも役に立って欲しいと
動いた人も大勢いることでしょう。

 少しでも、被災者・被災地のことを考えてくれた全ての人に感謝します。

震災前と全く同じに戻ることはないかもしれません。
それでも、また美しい三陸の姿を取り戻し、一日も早く放射能の心配なく
安全に人々が暮らせることを願います。

 最後に、最近読んだ震災関係の本をご紹介します。
・生島淳 【気仙沼に消えた姉を追って】
・須藤元気【WE ARE ALL ONE】
・寺島英弥【悲から生をつむぐ~「河北新報」編集委員の震災記録300日~】

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建物総合事業本部 山田 真紀