本土の方には馴染みがない日かもしれませんが、沖縄では6月23日と聞くと
すぐに慰霊の日だと答えます。1945年6月23日に沖縄戦での日本軍司令官、
牛島満大将が糸満摩文仁の司令壕で自決をした日をもって組織的戦闘が終結した日を
節目としたのが理由だそうです。
その日はその糸満摩文仁にある平和祈念公園で沖縄戦没者の慰霊祭があり、
また多くの遺族の平和行進もあり、その日、沖縄は祈りの日になります。
日本が定めている終戦記念日ですが、その日の沖縄では慰霊祭は特に何もないので、
この6月23日が沖縄では「終戦記念日」という位置づけかもしれません。
私が小学生のころは毎年慰霊の日の前日には必ず平和学習の時間が組まれ、
沖縄戦のことについて先生が話しをしたり、学習ビデオを見たりで、
沖縄戦がどんなに悲惨だったかを教えられます。
その平和学習で使う教科書なのですが、
今では考えられないほどの内容と私は思います。
戦争の写真なので死体の写真掲載はもちろんですが、集団自決して爆破された
死体写真など小学生には強烈すぎる内容が何ページにも掲載されて、
気分が悪くなったのを覚えています。
この強烈すぎることで人の命の大切や平和の大切さを勉強できたのかと思います。
小学校、中学校、高校まで慰霊の日は休みで、その日は祖父を訪ね、
正午ちょうどにサイレンが鳴り、黙祷をして
戦争で犠牲になった人の冥福を祈りました。
祖父は戦時中の頃の話しはしてくれません、祖母も同じです。
きっと戦争の事など思い出したくないからでしょう。
慰霊の日は平和な時代に生まれてきて感謝をしたくなる日になります。
しばらく祖父と祖母を訪ねていないので、
慰霊の日に訪ねて一緒に黙祷しようと思います。
米軍事業部 沖縄営業所所長 神谷 卓哉
【慰霊の日】1945年6月23日は沖縄守備軍牛島満司令官が自決し
組織的戦闘が終了したことにちなんで、戦没者の霊を慰めるため、
毎年この日を「慰霊の日」として、条例で定め沖縄独自の休日とした。
【平和祈念公園】沖縄戦跡国定公園は、沖縄県の沖縄本島南端部、
糸満市と八重瀬町にまたがる、第二次世界大戦(沖縄戦)の戦跡と
自然景観を有する国定公園である。戦跡としては唯一の国定公園である。