阿修羅像

孫のお相手で過ぎていくのが いつもの休日ですが、夏の一日
思い立って上野へ出かけました。
阿修羅像に会うためです。

脱活乾漆造という張子のような構造で作られた像です。
穏やかなライトに照らされて内側から明るんで見えます。
三面の顔のうち 側面は争いを繰り返してきた荒んだ心を見つめて
苦しみに満ちた顔。
正面の表情も憂いのある表情ですが、
不屈の決意を秘めてまっすぐ内面を見つめている強さを感じます。

六本の腕はしっかりと合掌したもの、天を支えるように挙げたもの。
細く華奢ですが1,300年前に
造られたものと思えないほど完全な姿です。
心洗われる姿かたちにすっかり魅了されて帰宅しました。

遠い天平の昔から送られたメッセージを受け取って
明日からの自分を支える力をもらえたような気がします。
日常と離れた経験をすることでリフレッシュした一日でした。

不動産事業本部 課長 田中 一美