スプリング・エフェメラル

スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral)

 数年前に初めて知った「スプリング・エフェメラル」という言葉。

春の一瞬に花を咲かせる野草の総称で、春の妖精とも呼ばれている。直訳すると春の儚いもの・春のつかの間のもの・春の短い命といった意味になるそうだ。

 

 スプリング・エフェメラルと言われる花は多くあるのだが、代表的なのはカタクリやセツブンソウ、おめでたいと言われる福寿草などだ。

春にだけ花を咲かせ、夏まで葉を残し、あとは地中で過ごす野草のことを指す。

 種類が多いので、すべてがそうだとは言えないが、スプリング・エフェメラルは可憐な花が多い。そして、花びらが薄く、今にも終わってしまいそうに感じる。

セツブンソウなどは、2月のまだ寒い時期に咲くので、透けるような花びらが凍えているような印象を受ける。

 そんな弱弱しいイメージはありながらも、1月頃から咲きだす福寿草などは、積もった雪が溶けかけた隙間から花を咲かそうとする力強さを持っている。

 可憐で健気に感じる花が多いスプリング・エフェメラルだが、中には、「川の土手で見かけたことあるけど、雑草と一緒に踏んでいたよ」と言ってしまいそうな素朴な花もあったりする。

 スプリング・エフェメラルは小さな花が多く、見過ごしがちだが、気づいて見てみると、本当に春にふさわしい花だ。

いつもほっこりさせてくれるスプリング・エフェメラルに感謝。

管理本部 課長代理 K. T.