近くの名所っていうのはいつでも行けるという気持ちがあるせいか、そういえば行ってなかったなと思い返すことがあります。
新型コロナが一時期おさまっていた時に、三重県津市で有名なうなぎ屋さん「うなふじ」に出向いた話を以前のブログで紹介しましたが、その時に宿場町だった亀山市の関宿も訪れていました。
三重県に以前住んでいた時に関宿も気には留めていたものの、いつでも遊びに行ける距離だと思って、車で名阪国道を素通りするばかりでしたが、ある日何気にテレビのチャンネルを回していたら、旅番組で関宿の紹介をしていたので、これは行ける時に訪ねておきたいと思ったわけです。
狭い道の両側に古くから残る建物が現存しつつ、郵便局も商屋風の景観にしていて、宿場町当時のノスタルジックな雰囲気が味わえます。
地元のことは地元で長く商いをしているお店の方に聞くに限ると思い、餅菓子「志ら玉」が名物の和菓子店で地元の見どころをお聞きしたところ、大変丁寧に説明して下さって、この街を凄く愛されている想いが伝わってきました。
丸みのある屋根の形は「起こり屋根」というそうで、現代の味気のない屋根と違って手の込んだ技術の高さがうかがえます。
通りの中ほどにある旅籠「玉屋」は当時の貴重な建物がそのまま残っていて内覧もできます。
間取りや展示されている道具類から、当時の様子が感じられますし、何といっても読み取れないくらいの宿帳が貼られた襖が印象的でした。
もう一つ、関宿で有名なのが、この庵(いおり)看板。京都側には漢字で、江戸側にはひらがなで書かれていて、旅人が方向を間違えないためのものだそうです。
当時でもすごくユニークな看板だったのではないでしょうか。
あっという間のひと時でもっとゆっくり巡りたかったですが、当時の街道情緒に浸れるのも、行政の力はもちろんですが、地元の方々がこの街に誇りを持って守ってくれているからだと思うと、感謝の気持ちで一杯になりました。
建物総合事業本部 大阪支店 中本 知邦