バイクツーリングや鉄道旅行、バス旅行も大好きな私ですが、昨今ではそれも困難。よい機会なので、かつての旅の写真を整理していると、ケーブルカーの写真がいくつか出てきました。
ケーブルカー、日本語では「鋼索鉄道」。少年心をくすぐるカッコイイ呼び方!(笑)。
要するにウィンチでケーブル(=鋼索)を巻き上げ、山の斜面を登っていく鉄道のこと。
麓の駅からだんだんと標高を上げていき、森を抜け、しだいに視界が開け、眼下に町や村々、眼前に山の頂を望む……。乗っているだけでワクワクしてきますね。そこで、私のケーブルカーフォトコレクションから、関西圏のいくつかを紹介いたします。
まずは、能勢電鉄「妙見の森ケーブル」。
北極星信仰の聖地「能勢妙見山」(大阪府豊能郡)への足として活躍しています。終点の「ケーブル山上駅」近くには、「妙見の森」という、BBQやアスレチックを楽しめるレジャースポットもあり、季節ごとに表情を変える里山の風景も魅力です。
お次は「男山ケーブル」。2019年に「石清水八幡宮参道ケーブル」と改称されましたが、写真撮影時はまだ、男山ケーブルと呼ばれていました。
男山の頂にある「石清水八幡宮」(京都府八幡市)の参道線として、1926年に開業。八幡宮といえば、関東では鎌倉の「鶴岡八幡宮」が有名ですが、鎌倉の八幡様は、この石清水八幡宮から、源頼義(源頼朝や足利尊氏のご先祖ですね)が勧請したものです。
続いて、関西のケーブルカーを代表すると言っても過言ではない「坂本ケーブル」。
石積のある門前町として知られる坂本(滋賀県大津市)から、「比叡山延暦寺」を結ぶもので、全長2025mは日本最長を誇ります。外観も格式高そうですね。
最後に控えるのは、奈良県生駒市の「生駒ケーブル」。正式名称は「近鉄生駒鋼索線」。日本初の営業用ケーブルカーで、開業はなんと大正時代(1918年)。
「近鉄生駒駅」そばの「鳥居前駅」から、生駒聖天こと「宝山寺」を経て、「生駒山頂遊園地」へと至ります。遊園地へのアクセス線ということで、お子様が喜びそうなキュートなルックスが特徴。中年男子である私には、乗り込むのに多少勇気がいります(笑)。
いずれの鋼索鉄道も歴史が古く、車両等は更新されているにせよ、システム自体はレトロなものばかり。安全で快適な運行のため、万全を期して保守管理に尽力されている皆様に感謝です。
建物総合事業本部 志方 正紀