ふぐ定食

コロナの影響が落ち着いていたころ、家族とともに山口県へ行ってきました。

 その日は父、妹、私の3人で車に乗り込みました。

 仕事終わりの夜に出発し翌日の夜に帰ってくる、ハードな旅行の始まりです。

 高速に乗り、まっすぐに山口を目指します。

 

どうして山口県なのかと言うと、

「あとは山口県に行けば日本全国制覇!」

 妹がこんなことを言い出したからです。

 妹の全国制覇の基準は、その県に入ったことがあるかどうか。もっと言えば、その県内で写真を撮ったことがあるかどうかが基準になるようです。写真部の妹らしい発想です。

 つまり日本の各都道府県の観光地を回り、写真に収めることを全国制覇としているようです。

 夜の23時に出発し、朝7時ごろに、山口県の唐戸市場に到着しました。

 ここでの目的はふぐ定食を食べることです。

「市場食堂よし」という店では、てっさ、ふぐのから揚げ、ふぐの煮物と、フグ尽くしの定食がなんと2000円というお値打ち価格で食べられます。

心地のいい歯ごたえのあるてっさ、少しあっさりとしたから揚げ、柔らかいふぐの煮物に舌鼓を打ちます。

私は期待通りの味に満足し、次に唐戸市場を歩き回りました。

試食コーナーがあり、市場のおばちゃんと目が合うと、つまようじに突き刺したタコわさびを差し出されました。

正直腹はいっぱいだったのですが、「食え」とばかりに目の前に差し出されているものですから、頂くことにしました。

「お土産に人気だよ」

おばちゃんが言います。

 しかしながら、旅の初っ端から生モノをお土産に買うわけにはいきません。

「他も回ってみます」

 私はそそくさとその場を後にし、お土産物コーナーで「イカおかき」という名の、その名の通りイカのおかきを購入しました。

 ポテトチップスに例えるとファミリーパックくらいのボリュームで350円。ドライブ中につまむのにピッタリでした。

 イカおかきは家族に大好評でした。

 私は運転手でしたので、イカおかきを少しばかり食べ、家族にも好きに食べていいよと渡しました。

 朝食の直後だというのにそれは見る見るうちに減っていき、次の目的地に着くころには半分にまで減っていました。

 実際とてもおいしかったです。いい買い物をしました。

 早朝から店を開けてくれている「市場食堂よし」さんと、楽しいドライブの時間を提供してくれた「イカおかき」に感謝です。

建物総合事業本部 大阪支店 U.M