好きな旅行が出来るのも、今の暮らしがあるから。
生活に関わる全ての方々に感謝します。
以前、山梨県甲府市を旅行した際に少し足を延ばして、日本五大名峡の一つ「昇仙峡」を訪れたことがあります。
この昇仙峡は秩父多摩甲斐国立公園にあり、甲府市北部に位置する自然豊かな観光地です。都会の喧騒から離れて緑いっぱいの大自然の中にポツンといると、心が落ち着き癒されるのがわかります。人間が大自然に精神の安らぎを覚えるのは人類の祖先がまぎれもなく地球創世の自然から生誕し、大自然とともに累々と命をつないできたからかもしれません。緑に慣れ親しんできた習性がDNAに刷り込まれているのでしょう。
すぐそばに深い渓谷が横たわる山道を歩いていると、突然場違いな空間に遭遇しました。恐らく日が暮れると辺りは真っ暗になり足元もおぼつかないくらいで、懐中電灯の灯りなしでは前に進めないほどの切り立った崖道の一角に、一つの公衆電話ボックス。入り口には「昇仙峡 未来電話」と書かれています。ひとたびこの電話ボックスの中に入るとそこは異次元の入り口で、例えば受話器の向こうの未来の自分と話せたりするのではないかというとんでもない空想が私を支配しました。
「もしもし・・・私ですか?」
「え?・・・あなた誰ですか?」
「過去のあなたです」
「私は・・・未来の・・・あなたです・・・か?」
5年先、10年先・・・自分はどのような暮らしをしているのだろう。世の中はすっかり変わってしまっているのだろうか・・・とても興味深くもありちょっと恐ろしいような。その電話ボックスの中には入らず、先を行くことにしました。
後にネットで調べると中にはレトロスぺクティブというかモダンというか、変てこな電話機がありました。
「昇仙峡 未来電話」が、私の中で山梨観光の思い出のひとつです。
建物総合事業本部 大阪支店 山畑 道憲