父の命日が近いということで、真言密教の聖地・高野山を訪れました。我が家の宗派は高野山真言宗。同地にはその総本山である金剛峯寺があります。といいますか、「一山境内地」といって、元来は高野山というエリア全体が金剛峯寺の境内でした。
このブログを書くにあたって知ったのですが、そもそも「高野山」というは、富士山や高尾山といった一つの山を指す名称ではなく、1000m級の山々に囲まれた、標高約800mの山上盆地に117もの寺が集まった“宗教都市”全域を指す言葉だそうです。要するに「高野山」という山は存在しません。
で、この日のお参りに使用したのが、南海電鉄「高野山・世界遺産きっぷ」。

電車の割引往復券や、境内バスのフリー切符、施設拝観料の割引券などがセットになった、高野山観光の定番です。今回は、片道特急券がついたタイプをチョイスしました。
大阪市内から高野山へ赴く場合、特急に乗っても、追加料金のかからない急行を使っても、さほど時間は変わらないのですが、やはり、非日常感の喚起・旅ごころの充足という観点から、特急電車の利用は必須です(笑)。
南海なんば駅から約1時間半、「極楽橋」駅で特急を降りると、その先はケーブルカー。高低差328mの急こう配を一気に駆け上がる様は、なかなかの迫力です。

ケーブルカー「高野山」駅からはバスに乗って境内へ。目指すは開祖・弘法大師の御廟がある「奥之院」。
樹齢数百年の杉並木、20万基超の墓石が並ぶ約2㎞の参道を抜け、御廟に手を合わせます。この参道は、名だたる戦国武将のお墓があることでも有名ですね。ちなみに写真は参道前の駐車場。

国道370号沿いにあり、関西のバイク乗りのメッカ「龍神スカイライン」は目と鼻の先。私のようなバイカーにとっては、高野山めぐりの拠点というより、同スカイライン走行前後の休憩場所としてのイメージが強いです(笑)。
いずれにせよ、聖域ですので写真撮影は遠慮しましたが、この日は「奥之院」のほかにも、半日かけていろんな名所・史跡を散策しました。そして、今回の旅の最大のミッションは……、高野山名物「般若湯」の入手!
「般若湯」とは、厳しい寒冷の地で修行する高野山の僧が、弘法大師から特別に許されて、飲んだとされるお酒です。

父の墓前に供えるために、徳利に入った飲みきりサイズ(?)を購入。特別休暇をいただき、墓参を終えた現在は、位牌にお供えしています。冥福を祈りつつも、私はお酒を飲まないので、お下がりをどうするか、頭を悩ませているところです……(笑)
建物総合事業本部 大阪支店 志方正紀