道成寺と聞いてピンときた人は、かなりの古典芸能通だと思いますが、能、浄瑠璃や歌舞伎の
演目「安珍と清姫物語」で有名な和歌山県にあるお寺です。
今回2度目の訪問でした。
参拝した目的は2つあって、宝仏殿に干支ごとの守本尊が安置されていて凄く印象深かったの
ですが、どの仏様が自分の守本尊だったのかを再確認したかったのと、久しぶりにお坊さんの
説法を聞いてみたくなって、道成寺ではご住職が絵巻物を使って絵とき説法をしてくれていた
のを思い出したからです。
絵とき説法をお待ちする前に宝仏殿に入って安置されている20数体の仏像を拝観しました。
子年の私の守本尊を探すと千手観音菩薩様でした。宝仏殿の中央奥にすごく立派な千手観音様
が見守ってくれていました。
ちなみに他の干支の守本尊は、丑・寅年は虚空蔵菩薩様、卯年は文殊菩薩様、辰・巳年は普賢
菩薩様、午年は勢至菩薩様、未・申年は大日如来様、酉年は不動明王様、戌・亥年は五劫思惟
阿弥陀如来様です。
静かに手を合わせて祈願してから、絵とき説法が行われる縁起堂に移りました。
ご住職にお聞きすると、コロナ禍前の休日は1日に10回以上も絵とき説法を行うほど忙し
かったそうですが、コロナ禍になると回数もうんと減って、希望があれば、たとえ一人でも
ご住職が絵とき説法を行っておられるとのことです。
実は、この日も妻と一緒に縁起堂でお待ちしていると、ご住職が私達だけのために絵とき説法
を始めて下さいました。
貸し切りの状態で申し訳ない気持ちと感謝の気持ちで拝聴していると、ご住職が時折冗談も交
えて絵巻物を次々と進ませ、私達は約20分間の「安珍と清姫物語」を充分に堪能しました。
記憶に残る一日ではありますが、仏堂内の写真は禁止でしたので、販売されていた「道成寺
絵とき本」を記念に買ってから、ご住職に感謝の気持ちを述べてお寺を後にしました。
建物総合事業本部 大阪支店 中本 知邦