アニメと和歌の聖地!? 徳島市の「眉山」

先日のお休みに、ふらっと四国・徳島市を訪れました。

大阪からは、明石海峡大橋、大鳴門橋を経由して徳島市内へ至る高速バスがかなりの頻度で運航しており、運賃的にも所要時間的にも、日帰りでちょっとした旅行気分を味わうにはちょうどいい場所なのです。

で、今回の目的地は「眉山」。徳島市のシンボル的な山で、標高は290m。ふもとまでJR徳島駅から徒歩15分程度。山頂一帯に広がる「眉山公園」までは、ロープウェイやドライブウェイもあり、アクセスは超良好です。

今回は、山頂までロープウェイを利用したのですが、その乗り場は、市営の観光施設「阿波踊り会館」の5階にあります。

同会館は、阿波踊り公演の劇場や、衣装や小道具、歴史を紹介するミュージアムなどが設置されており、年間を通じて阿波踊りを堪能できる施設。

しかしながら、会館に入ってまず目を引くのが、いたるところに掲示されたアニメのポスターやアニメキャラの等身大パネル(版権がどうなっているのか不明なので撮影していませんが……)。

徳島市では2009年から毎年「マチ☆アソビ」と題したアニメとゲームの総合イベントを市内全域の様々なエリアで開催しており、眉山もメーン会場の一つ。アニメキャラのポスターやパネルは、その告知や記録を兼ねた装飾のようです。

そして、ロープウェイに乗ってまたビックリ。車内アナウンスであの「鬼滅の刃」の炎柱・煉獄杏寿郎さんが眉山について解説してくれます(往路は煉獄さんがソロで担当。復路は主人公の竈門炭治郎くんら3人が徳島市の歴史や名所を案内してくれます)。

山頂の「眉山公園」でもいろんなアニメキャラ(のポスターやパネル)が出迎えてくれるのですが、今回の目的はそれではありません。「眉山」は現在も徳島観光のメッカですが、はるか万葉の時代もそうだったようで、この山を詠んだ、「眉のごと 雲居に見ゆる 阿波の山 懸けて漕ぐ舟 泊り知らずも」との歌が万葉集に収められています。

詠み人は、47代淳仁天皇の兄である船王(ふなのおおきみ)。天平6年(西暦734年)に詠まれたといいます。眉山の山頂には、この和歌を刻んだ石碑が置かれており、全国の万葉歌碑を巡ることを旅のテーマにしている私としては、ぜひとも訪問しておきたい場所でした。

今はアニメ、昔は和歌。長い日本の歴史において、眉山は常に文化の香り漂う景勝地。そんな場所を大事に保存し、現在も盛り上げてくれている、徳島市の皆様に感謝です。

建物総合事業本部 大阪支店 志方 正紀