「ハイチ地震」に思う

テレビに映る「ハイチ地震」の惨状を目にして、
国名ぐらいは知っていたが
どんな国かはほとんど学生時代の後遺症は残っていなかった。
チェ・ゲバラの活躍した
中米あたりかなと思っていたが情報が増すにつれ
地球上の最貧国だと分かった。
死者の数も報道の度に増え、12万人にも及ぶという。
首都ポルトープランスでの略奪・暴行の現場映像は
すさまじいものがある。最貧国が故の悲劇としかいいようがない。

「阪神・淡路地震」の時、親族、友人と大勢神戸、
大阪に居住していたが、幸いにもみんな軽い怪我程度で無事だった。

一丸となって助けてくれたことに親族として改めて感謝したい。
大阪では、当時会社が分譲したマンション等の住宅被害状況を
調査するためビデオ持参で現地に入ったが、
生々しい現場を前にして、
とてもビデオ撮影などできる雰囲気ではなかったそうだ。
ただ「阪神・淡路地震」の場合は、「ハイチ地震」と違い、
そういった奪い合いなど一切無く、
みんなが必死で助け合っていたと聞く。
これを見た外国の報道機関の人たちが、その姿に驚き、
モラルの高さに感心したという。

我が家も、地震対策とはいえないまでも、
水・非常食ぐらいの準備はしているつもりだったが、
経験者である大阪の弟が泊まった際、この対策は一笑に付された。

彼は、スリッパが側に有ることを確認して就寝した。
地震直後に、家中がガラス片で歩けなかった恐怖体験から、
スリッパが側にないと安心して眠れないと言っていた。

不謹慎だが、結果的に見て戸建居住者の死亡率は、
マンション居住者と比べ極めて高い。
戸建の居住者には分譲販売の際、このデータを説明し、
特にしっかりとした対策を各自が講じて欲しいと警告してきた。
警告が無駄に終わる事を願うが・・・・・。

私は革命家チェ・ゲバラが好きで
よく彼の本や映画を見たが、
まさにこういった貧しい国の惨状を見ると彼の偉大さを思い知る。
貧しい人々を助けるため、医者でありながら革命家に転身し、
ボリビアで壮絶な最後を遂げるその生き様には、
本物の英雄を感じる。

彼が自分の子供達に残した言葉がある。

「もし世界のどこかで不正に苦しんでいる人達がいれば、
それを感じることができる人間になりなさい。」

この精神にあやかりたく「ハイチ地震」被災者支援を
ささやかなれどもしたいと思った。

不動産事業本部 社長付(開発統括) 岩松 寛道