以前、石川県金沢市を旅行した際、兼六園にほど近い「石川県観光物産館」へ立ち寄りました。観光物産館って、つまりはお土産物売り場なんだけど、その3階の多目的ホールに体験コーナーがありました。体験するのは何を隠そう無骨な私にはとても似つかわしくない「和菓子作り」。どうも嫌な予感が的中し、それを体験する羽目になってしまいました。どうやら妻が先に予約していたらしく、気が進まない私は半ば強引に参加させられた格好です。
案外広い会場にはすでに和菓子の材料が参加人数分セットされ、教壇には老舗和菓子屋の職人さんが待ち構えています。参加者はほとんどが比較的若い女性で、恐らく金沢の旅行客でしょう。自分は場違いなところへ引きずり出され、恥ずかしくもスポットライトを浴びせられているような気分です。
中央のモニターにはその職人さんの手先がアップで映し出され、職人さんが作りながら説明してくれます。参加者は大きなモニターを見ながら職人さんの説明通り手でこねたり網でこしたりして、かわいらしい鮮やかな色彩の和菓子をこさえていきます。最初は仕方なしにやらされている感覚で、どうも乗り気ではないまま私も周りの参加者たちと同様見よう見まねで手先を動かしていましたが、その内作業に集中している自分に気づきました。
案外簡単なようで難しい和菓子作り。ようやく完成し化粧箱に入れて銘々が持ち帰ります。もっともっと作りたい衝動に駆られながら会場を後にします。
妻「なんか歩き方が内またになってない?」
私「そうか?」
単純な私はなんでも影響されやすい体質です。誘ってくれた妻に感謝。
旅館に帰ると早速自分で作った和菓子を食べてみました。初めて作ったオリジナルのお菓子。お店で売られているプロの職人が作った和菓子のほうが断然おいしいですが、口の中にえも言われぬ満足感が拡がりました。
建物総合事業本部 大阪支店 M.Y