写真やテレビなどで幾度となく見てきた富士山。しかし、実際に見たのはこの時が初めてでした。
以前、箱根を旅行した際、箱根ロープウエイに乗りました。富士山が近いこともあり、観光ガイドなどでよく知られる「大涌谷」へ行ってみたかったのです。硫化水素や二酸化硫黄が噴き出て白煙や地面が黄色くなっている写真などから怖いもの見たさもあったと思います。
大涌谷駅に着き、白煙のけむる方向へ歩いていくと刺激臭のある火山性ガスが襲ってきました。四六時中噴き出る白煙はこの地一帯が火山地帯である証拠であり、言わばいつ噴火するかわからない状況下にあるという設定が何ともスリリングです。売店で名物の「黒たまご」を買い、食べながらパーキングエリアの方へ歩いていくと、遠く向こうに神々しいといいますか、迫力のある「富士山」がそびえていました。
私の中の富士山は上層部が白く冠雪した青っぽく美しい山ですが、訪れた季節が夏場ということで全体が黒っぽい大きな山でした。化粧を塗りたくり美化された富士山ではなく、ありのままの富士山だったのが、残念というよりも余計にリアルで印象深いものとなりました。
「これが現実さ」とでも言いたげな霊峰富士に感激しながら大涌谷を後にしました。
自分がまぎれもない一日本人であるというアイデンティティを再認識させてもらった大いなる「富士の山」に感謝いたします。
建物総合事業本部 大阪支店 M.Ý