原付二種の旅「ビワイチ」で利用させていただいた 甲賀市にある宿「塩野温泉」です。
1日目の宿は、琵琶湖湖畔の風景・星空・湖面を照らす日の出を楽しむため、迷わずマキノに宿をとることに決めました。2日目に宿泊するとしたら 長浜・彦根・大津が考えられましたがいずれも都市化されており趣にかける気がして選びあぐねていました。
琵琶湖を中心とする地図を眺めており、以前から家内が行きたいと言っていた「信楽陶器祭り」のことを思い出し調べましたが残念ながらお祭りの日程に合いません。
インターネットを見ていると、滋賀県内でかなり評判良い宿として「塩野温泉」の記述を見つけ場所を調べたところ信楽にも近い距離です。「信楽陶器祭り」は終わっておりますが足を伸ばせば信楽の雰囲気だけでも味わえるのではないかと思いここに宿泊させて頂くことに決めました。
早速旅行サイトで検索しましたが旅館名は表示されても予約できるサイトがありません。そのため家内に頼み電話にて予約をしてもらうことにしました。予約の際の旅館の人の対応がとても丁寧で「宿泊(料理)のプランは直近までに決めてくださっていいですよ。」とも言われ 家内はなんともやさしさを感じたそうです。
「塩野温泉」に到着いたしました。
旅館の人に到着を告げバイクをとめる場所を伺うと、屋根がかかる玄関を指定されました。「旅館の大事な玄関にバイクをとめさせていただいてエエんか?」と思いつつ駐輪をさせていただきました。
案内された部屋は掃除の行き届いた8畳二間続きの縁側のある部屋で雪見障子からは手入れされた庭が望める素晴らしいお部屋です。早々案内してくださった女将さんに「暖房をつけましょうか?」とたずねられましたが断りました。バイクで訪れたため体の冷えを気遣っての問いかけかと思いましたが、お風呂の案内もしていただいたので、多分この辺は夜になると随分と冷え込むのだと思いました。
そうか!駐輪のために屋根のかかった玄関をご指定くださったのはバイクへの夜露を避けるためだと気づき「なんとやさしさのある旅館だ」と家内と感心いたしました。
食事は到着の1時間半後にご提案いただき、家内はお風呂へ、私はビールを飲みながら立派な和室でくつろぎながら食事を待ちました。
さて、食事の時間が始まります。
・八寸
・地鶏と松茸のすき焼き
・マグロ・鯛・かんぱち・いくらのお造り
・松茸とハモの土瓶蒸し
・イチジクの天ぷら
・太刀魚とホタテの焼き物
・サワラと野菜の炊き合わせ
・ご飯・香の物・お出汁
仲居さんが順次会席料理の配膳をして下さいます。
なんといっても「松茸!!」。この数十年「見ルダケネ~」で口にさせていただける食材ではありません。松茸の香りと歯ごたえの心地よさにお酒も進みます。また、「イチジクの天ぷら」についてはこの宿の季節限定の名物とのことでこの料理を目当てに来られるお客様もいらっしゃるとのこと、サックとした衣の中にほのかに甘酸っぱい果汁たっぷりのイチジクが存在します。「ゆうにゆえん!」料理に感動させられました。
素晴らしくおいしい料理の数々、我々が口にさせていただくことが非常にもったいないものと感じました。
食事のあとはお散歩です。星空を眺めるべくおもてに出ますが残念ながら昨夜に続き満天の星空が眺めることができませんでしたが、月に照らされた山並みを眺め風情を楽しませていただきました。
体が冷えてきたためお風呂をいただくことにいたします。
泉質は塩質鉱泉でなんと270年前からの文献が残る由緒のあるもののようです。浴槽はタイル張りの大きな浴槽で十分5~6人がゆったり入ることのできるくらいの大きさのものを独り占めでの入浴です。「すべっ」とする優しいお湯を存分に堪能させていただきました。
お風呂には入浴時間が設定されており翌朝は6時から入浴可能とのこと、しかしながら鉱泉であるため四六時中湧き出る温泉をボイラーで温めなければなりません。かなり贅沢なお湯であることが伺えます。
風呂から上がり部屋に戻りますと、先ほどまで食事をとらせていただいた隣の部屋にノリのきいたシーツがかかったふかふかの布団が敷かれており思わず寝ころんでみました。寝心地の良い布団でした。
接客ヨシ、お部屋ヨシ、料理ヨシ、お風呂ヨシ、布団ヨシ。
あたり前のことなのでしょうが、全てが満足できるものでした。
翌朝、女将さんに素晴らしいひと時を過ごさせていただいたことに御礼を言い本日の行程に出発です。
出発までお見送りをしてくださるような雰囲気だったので、荷造りに時間がかかるとお断りいたしました。
荷造りの最中、昨日お泊りの別のお客様が「いい宿でしたでしょう? 地元ですが今年3回目なんですヨ!」とお声がけくださいました。私は「ほんまに素晴らしい旅館やわ!ちょっと遠いけどまた来たいわ~」と心から返答しました。
朝、5時頃からお掃除・お料理等ご担当のスタッフ様がご準備下さってくれていることを見ていた私は旅館の皆様方には頭の下がる思いです。
日常では味わえない贅沢な時を過ごさせていただいた「塩野温泉」様に感謝です。
また利用させていただきたく思います。ありがとうございました。
皆様も機会があれば是非訪れていただきたいお宿としておすすめいたします。
建物総合事業本部 大阪支店 田中 裕士