父の命日が近いということで、何か気の利いた(?)お供え物を用意しなくてはと思い、灘の酒蔵をめぐってきました。
「灘」とは、兵庫県神戸市、西宮市の沿岸部エリアのこと。この一帯は、室町時代から江戸時代、現在まで受け継がれた酒造りのメッカです。全国的に知られた、名だたる日本酒メーカーが軒を連ね、その古い酒蔵が、ショップを併設した博物館として、いくつも公開されています。
私の父は、その仕事生活をほぼ神戸市で過ごしており、加えて、大の酒好きであったことから、墓前に供えるのはやはり“灘の生一本”がよかろうということで、足を運んでみた次第。
最初に向かったのは、「沢の鶴資料館」。
江戸時代末期に建造された木造の蔵を活用したもので、生酒の無料試飲コーナーも用意。海外からの観光客も多数訪れていました。
次に訪問したのが「白鶴酒造資料館」。
こちらは大正時代に建てられた酒蔵を利用しており、昔の酒造工程を、杜氏や蔵人(酒造りの職人さん)の等身大人形を用いて再現。なかなかの見ごたえです。
最後に尋ねたのが、「菊正宗酒造記念館」。
かつては、1652年建造の酒蔵を記念館として公開していたのですが、1995年の阪神淡路大震災で倒壊。しかしながら、収蔵の酒造用具や小道具類を、がれきの下から拾い出し、梁や柱なども使えるものは利用し、1999年に再建。まさに地域の歴史を背負った建築物です。
さて、墓前に供える品として購入したのがこちら。
白鶴酒造の飲み比べ3本セット。1本が300mlと、お供えものにはちょうどいいサイズですね。私はお酒を飲まないので、お下がりは、日本酒を活用した料理でも作って、亡き父をしのびたいと思います。
建物総合事業本部 大阪支店 志方 正紀