私の好きな建築家で、大阪府大阪市出身の安藤忠雄さんという方がいます。幾何学的な造形のコンクリート打ち放しの斬新な建築が特徴的です。1995年には建築界のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」を受賞するなど、日本だけでなく、世界的にも評価される建築家です。学校に通われず独学でいまのキャリアを築きあげた方です。
過去にお話しされているのを身近で聞いたことがあります。普通の大阪のおっちゃんという感じで何の気どりもなく綺麗ごとを言われない感じです。仕事は命を懸けてするとおっしゃっていますので、仕事には厳しい方との印象はあります。
安藤さんが世に知られるきっかけとなった建築物が自宅の近くのとある場所にいまも現存します。1976年に建てられた三軒長屋の真ん中を切り取った鉄筋コンクリート造りの住宅です。まったく無名時代に建てられた住宅です。この住宅を見て、元サントリー会長の佐治敬三さんが美術館の設計を依頼したそうです。その時に佐治さんが「住みにくそうな家だな。でもこの家には夢がある。意思が感じられる」と評価されたそうです。
「一番大切なのはあきらめずにどんな状況でも全力を尽くせる心の強さです」
「人間にとって本当に幸せは、光の下にいることではないと思う。その光を遠く見据えて、それに向かって懸命に走っている、無我夢中の時間の中にこそ、人生の充実があると思う」
安藤さんがおっしゃった語録で印象に残って覚えている言葉です。
気分が落ち込んでいるとき、モヤモヤしたときにはこのコンクリート住宅の前をあえて通ります。この言葉が頭をよぎります。そして元気が蘇り気持ちもスッキリします。
心身ともにリフレッシュさせてくれる安藤さんの言葉と作品が身近にあることに感謝しています。
建物総合事業部 大阪支店 M.M