びわの収穫

今まで、あまり存在を意識せずオリーブの結実を考えての無造作な剪定(刈り込み)を繰り返してきた「びわの木」に今年初めて実がなりました。
 
1995年に植えたオリーブの木が17年目にしてやっと実をつけだし、その数年後にオリーブの近傍に大きな葉の木が育ってきており、葉の形状から「びわの木」だと言うことがすぐにわかりました。
家内に、なぜこんなにもオリーブの木の近くに「びわの木」植えたのかと聞くと植えたつもりはなく、なぜか育ってきたという。そのため、毎年オリーブの結実を邪魔しないようにオリーブの枝より下の高さで頭の部分をバッサリと切っていただけでした。

しかし、昨年もオリーブの実は少なく「びわの木」がオリーブの結実に影響するものでもなかったため、今年はそのままに手を加えることなく、「育つがまま」を容認することにしておりました。それがなんと正月を過ぎた頃から白い花の塊が咲き始めグングン枝も伸びてきます。そのうち、一枝に咲いたいくつもの花の房は数個を残し次々と地面に落ちて行き日々の掃き掃除も大変な状態となりました。その後残った花に緑の実がなり段々と膨らみ始めました。
今までにない「びわの木」の状況に驚き調べてみた結果、どうも種を植えてから8年から10年の歳月を経て実のなる木に育つことがわかりました。
そのことを考えるとちょうど息子が中学生の頃で、果物を食べた際には2階の窓から猫の額ほどの花壇に種を「ぺっ!」と吐き捨てることをよくしていたと家内はいう、いつ「びわ」を食べたかも不明ですがその種がたまたま発芽して今回の実りとなったものと考えられます。

いままで、桜のような花が咲くといわれる「アーモンド」は3年ほど続け種を植え、肥料も与えてみましたが一向に発芽することがなかったものが、種を「ぺっ!」として発芽させ、また実を結ぶ「びわの木」に成長させた息子の技には感心させられました。(ただし、リンゴ・スイカ・カキ・ブドウ等は失敗に終わったようですが・・・)

「びわの実」は60個ほどが実り、たまたま出張で神戸に来た息子が戻り丁度熟した26個を収獲し、12個をご近所に、東京の娘と息子のお土産とし10個、残りを3人でいただきました。非常にあまく今まで食べたびわよりもはるかに美味しく感じました。
残りの30個ほどの実はまだ熟しておらずそのままにしておりましたが、翌々日には高い枝の4個を残し、いなくなってしまいました、せっかく甘い実になるものを酸っぱい段階で収獲されてしまったことが残念に思われました。

息子は今では社会人となりましたが、自分自身を「ぺっ!」とすることができないのか、いたずら盛りの中学生時代からあまり成長していないように思うのですが、いつまでも無邪気で陽気な彼については、それでよしと考えるようにしております。

おいしい「びわの実」は昔を思いださせてくれる存在です。
今後の剪定は考えて行いますので
来年もおいしい実をよろしくお願いいたします。

建物総合事業本部 大阪支店 田中 裕士