やった!オーロラを見たぞ!

やっと一生に一度のオーロラ鑑賞ツアーを実行することができました。
 長期のお休みをいただきました会社ならびに同じ現場で働く皆様のご協力に感謝申し上げます。
 
私にとって、オーロラを見ることは長年の夢でした。
ことの始まりは、幼稚園の学芸会で「北極のムーシカ・ミーシカ」の劇に参加した際、天井面に吊るされた色とりどりの雨のような線を描いた模造紙がオーロラと設置されていたと思います。自分のセリフではたぶん「オーロラだ!」と言った記憶があります。北極では色付きの雨が降りそのことをオーロラと言うのかと何気に納得したものの、その色付きの雨を実際に見てみたいと思ったものでした。
しかし、小学校に入り図書室の図鑑を見ると、色付きの雨ではなく空に光輝くカーテンのような雲状のもので、北極ではしばしば観測できるものであることを知りましたが、北極はイヌイット族が暮らす氷と雪に囲まれた台地であり到底行くことができないものと考え、ただただあこがれの情景だと思い込んでおりました。

8年前から始めた家内の親族との親睦旅行で、オーロラ鑑賞は北極に行かなくても「フィンランド」「スウェーデン」「カナダ」でも見ることができると話題になり、いつかは行ってみたいとの話題が持ち上がりました。とはいえ海外旅行をするには費用もかなり掛かるため「いつかは行こうね!五百円玉貯金」をすることにし資金が貯まった頃に実行しようと約束をし「おあずけ旅行」としていました。

昨年の5月頃、歳の上から2番目の姉夫婦が個人経営で海外旅行をプランニングする人を知人から紹介を受けたことで、オーロラツアーの話をしてみたところ、「カナダのイエローナイフ」はオーロラ出現率が高いとの情報を得ることができました。またオーロラ観察は暗くなる夜間に観察用テントに連れて行ってもらい、明け方近くにそこに迎えに来てくれるとのこと、マイナス30℃まで対応の防寒着の手配はできるが観察用テントに暖房があるのか、ましてやトイレの設備があるのかも不明の状況で、ひたすらオーロラの出現を待つ4日間を過ごさなければなりません。そして昼間はホテルで自由に睡眠等の休息をするというものでした。
そのツアー内容を聞き年齢的な状況を考えると、1番上の姉夫婦は過酷な状況を想像し断念しました。2番目の姉夫婦は何とか無理をすれば実行できるかも、また来年になればまた歳を重ねつらくなると考えました。末っ子3番目の家内と私も同じ考えで「もう今年しかない。」との決断となりました。

いざ、
1日目:23時観察地点に到着したところなんと天空に薄緑色をしたカーテン状の薄く緑がかったオーロラが広がっているではありませんか、なんとも幻想的な情景に感動し「これがオーロラか!」の一言のみを発声しただけで立ちすくみ見入っていること約30分、それ以降オーロラは消え、ツアーガイドに案内され観察用の待機小屋へ、「あれ?オーロラ観察はテントではないのか?」確かに観察地点にはテントはあるのですが、雰囲気つくりのためのオブジェのような存在で、小屋は暖房もきいており、べニア板で階段状にした天端に木のリング状の板をのっけた汲み取り式のトイレらしきものも存在していた。小屋では暖かい飲み物、スープ、お菓子等がふるまわれ、次のオーロラ出現を待つこととしました。
2番目の姉に、オーロラ観測は過酷なものと聞いていたため、携帯用トイレ・紙おむつ・使い捨てカイロ等を用意したリュックを指さし「話 ちゃうやん!」と話ましたが、姉も同じように準備をしており、今回の旅行の手配をお願いした海外旅行のプランナーも詳細がわかっておらず、帰ったらそのプランナーに今回の旅行の報告をすることになっているのだとの回答でした。非常にお粗末な話ではありますが何はともあれ、快適に待機できることに感謝するしかありませんでした。
最初の30分ほどのオーロラ出現から、26時(午前2時)まで私は小屋を出たり入ったりしますが、一向にオーロラは現れず、27時までの観測予定ではありましたが、ツアーガイドの判断で早めの帰路となりました。

2日目:昨日の観測地点は雲がかかる予想のため、もう一つ用意されていた西の観察地点に向かうこととなります。到着後、空を眺めてみますがオーロラらしきものはなくツアー客は観察小屋へ入ります。「そうだった!オーロラは出現しない日もあり、めったに見ることができないものだった!」と思い出しましたが、あきらめきれず、観察小屋を出たり、入ったりしながら空を見上げます。おおよそ到着40分後、空にうっすら白い雲のようものを発見し、ツアーガイドに「オーロラだと思うんですが?(日本語で)」と報告すると、外に同行下さり「オーロラです。」と回答を頂きました。そのツアーガイドの言葉により他のツアー客も外に出てオーロラの観察をします。
その後、発生から40分ほどでオーロラは消え、また15分~30分してまた出現する、を繰り返し結局予定の27時(午前3時)まで十分にオーロラ観察を楽しませていただきました。

3日目:1日目・2日目と同じオーロラ観察ツアーはキャンセルし、インターネットで見つけたオーロラ追跡ツアー「NANOOK(ナヌック)ガイドツアー」に参加した。このツアーは、ガイドがオーロラ出現を予想し、かつ天候を予想し、6人乗りのトヨタ シエンタ(日本国内のシエンタと違い車体は大きく、車内も広々したもの)で移動しながらオーロラ観察を楽しむものでした。何気に車を止めた路側で車外に出るよう促され、しばらくすると、昨日まで見たオーロラと比べものにならないほど空一面にオーロラが出現します。「これぞオーロラだ!」と感動している間もなく「ナヌックさん」はもう少し東に行ってみましょうと車で移動します。また、路側に駐車し観察を始めると、先ほどより広範囲にオーロラが望めます。「素晴らしい!」とまた見入っておりますと、道が続くまで東に行きましょうとまた車で移動します。ちょうど町から70㎞程離れて道がなくなるところで停車します。
しばらく空を眺めていますと、一条の雲のようなオーロラが発生してきます。それが葉っぱの形となり空一面にカーテンのように広がり、様々な形になってゆらゆらとうごめきます。今回はオーロラの色も肉眼で「薄い緑、薄いピンク色」(写真では濃い緑色や、赤色に写りますが、人の目は解像度が低いため色が見えても薄い色となります。)と十分の確認でき、この世のものではないような美しさを堪能させていただきました。
 「ナヌックさん」は「これがオーロラの大爆発」で自身も久しぶりに確認ができたものだといわれており この貴重なオーロラを見せてくださったことに大いに感謝いたしました。

オーロラ観察では、大自然の中で我を忘れ見入っており、すでに27時を過ぎておりました。
かなり、遠くまでオーロラを追いかけ頂いたため帰路は1時間30分ほど時間をかけホテルに到着した際は、もう空がうっすら明るくなっており、この朝焼けの美しさも合わせ堪能させていただきました。

 オーロラ観察は、4日間の予定でしたが「ナヌックさん」に絶景のオーロラ大爆発を見させて頂いたことと、イエローナイフに17時に到着し当日から連夜22時過ぎから28時頃までのオーロラ観察に出掛けており、昼間は睡眠をとることとなっていたのですがあまり熟睡もできず疲労も溜まった状態であったため、最終日のオーロラ観察はキャンセルし3日間で切り上げることといたしました。そのため4日目の昼間はイエローナイフの観光も兼ねダウンタウンに行き、PUB「ヴリューハウス」で昨日のオーロラ大爆発の感想と この観察には体力が必要であったこと等をネタに 大いにBEERを堪能させていただきました。

「ナヌックさん」にオーロラとは太陽からの太陽風プラズマが地球の地磁気と影響しあい、大気中の酸素や窒素の原子がエネルギーを得て発光するものと説明をお受けいたしましが、私にはさっぱりわからないお話でした。
私自身での解釈は、地球の最北で自然が織りなす神秘的に光るカーテンのような雲としておきます。
しかしながら、
この素晴らしい大自然の絶景を見させていただいた
太陽様、地球様 に感謝申し上げます。 

建物総合事業本部 大阪支店 田中 裕士