プリズンの満月

最近は専ら読書が趣味の一つになっており、時間ができれば読書をすることが増えました。

タイトルにある[プリズンの満月]は吉村昭氏の著書の一つで、終戦後、東京裁判で判決を受けた人々が収容されていた[巣鴨プリズン]の中を中心に描いた作品です。

私の好きな居酒屋の気さくな老夫婦の店主さんに、おすすめのノンフィクション作家及び作品を聞いたところ、本作品をご紹介いただき出会うことができました。なかなか刺激の強そうなあらすじでしたが、当時の私が本書を知っている訳もなく、紹介してもらえなければ辿り着かないだろうなと思い、その場で購入しました。

様々な本を読む中で、[その人が、どういった苦節があって結果そこにたどり着いたのか]という経緯が知れるのは、人生経験のない自分にとってとても大事だと感じるようになったことから、伝記や回顧録など、何かを成し遂げた人の生涯を描いたジャンルを特に好むようになりました。

紹介いただいたからには必ず読んで感想を伝えたいと思い、後日読み進めると、情景が目に浮かぶようで、あっという間に読み終えてしまいました。内容は面白いばかりでなく当時の過酷さをまじまじと感じる描写もあり、無知であった自分が恥ずかしくなりました。読了後、当時のことを自分なりに調べ、学ぶきっかけにもなりました。

後日感想を伝えに店主のもとへ再び行くと、内容の話もさることながら、私が読んできたことを非常に喜んでくれ、非常に温かみを感じました。その後同著者の別のおすすめ作品を熱弁頂いたため、同作品を読むことが自動的に決定いたしました。。

親切にしてくれ、自分の知らないものを知るきっかけを作ってくださった店主さんに感謝し、本書の中に記載されている、日本の礎を築く努力をしてくださった当時の方々に感謝申し上げます。

事業統括本部 白栁瑛人